
カンボジアは国境での非武装化で両国の重火器撤去の作業が行われているのさなか、タイとの和平協定へのコミットメントを改めて表明した。
一方でタイ軍の上級報道官は、カンボジアが協定に違反した場合、タイが「間に合うように」国境に重火器を再配備できない可能性があるという国内世論向けにタイ国民の対カンボジア感情悪化の懸念を和らげようとしている。
カンボジア政府報道官のペン・ボナ氏は5日、カンボジアは米国のドナルド・トランプ大統領とマレーシアのアンワル・イブラヒム首相が立ち会ったASEAN首脳会議の際に両首相が署名したクアラルンプール共同宣言を「厳格かつ全面的に実施している」と述べた。
カンボジア内戦中に国境沿いに埋設された古い地雷が除去されればタイ軍の進撃が可能になるため、和平協定にもかかわらずタイがカンボジアへの攻撃を再開する恐れがあると懸念されていると、カンボジア側は懸念している。
タイ陸軍(RTA)は月曜日(3日)、カンボジアが和平協定に違反した場合、戦車や大砲を含む重火器を国境に再配備する十分な能力が残っていると国民に安心感を与えた。
RTA(タイ国軍)の報道官、ウィンタイ・スワリー少将は、たとえ一部の重火器がロッブリーまで遠く離れた場所に移動されていたとしても、軍は速やかに国境へ戻せると述べた。
これは、タイがカンボジア側の潜在的な違反行為に間に合うように対応できない可能性があるという国民の懸念を受けての発言である。
今回7月の武力衝突まで発展したカンボジアータイの国境紛争は、カンボジア側でのタイ首相とカンボジア上院議長の電話会談漏洩に端を発したタイ政局の混乱(首相の解任)や2度にわたるタイ軍巡回路での地雷爆発での死傷者発生によってタイ国民のカンボジアへの悪感情が高まり、米国の介入による和平合意後もタイ国民の政府への圧力は弱まっていない。
なお、タイ軍兵士の死傷者を出した地雷埋設は、新たに埋設されたものだという調査結果(誰が埋設したかは不明)が出ている。
下の記事をご参照してください。
掲載写真:タイ・メディア「ネーション」


