新華社電 10ヶ月で麻薬容疑者2万1800人を逮捕、5トン以上の麻薬を押収

カンボジア麻薬対策局は土曜日、2025年の最初の10か月間に、8,391件の事件で742人の外国人を含む合計21,800人の麻薬関連の容疑者を拘留したと発表したと中国国営の新華社が報じている。

カンボジアの国内ニュースでありながら、政府公式情報を一手に引き受けるKhmer Timesが新華社報道をそのままコピペで報じているという奇妙なメディア姿勢であるが、これはKhmer Timesですら政府からプレスリリースがないということだろう。

こうした新華社電が報じられるのは、2つのことが推測される。

・Khmer Timesの報じる記事はカンボジア政府の公認であるということ。

・中国・新華社の報道は、中国政府の意向を新華社を使ってカンボジア政府に「中国の意志」を表明している。

と見られる。こうしたKhmer Timesは新華社電はコロナ感染期間に目立ち、中にはカンボジアのコロナ感染拡大は西側の陰謀によるものと言った記事をそのままコピペした報道もあった。今回の記事は、鳥インフル感染記事と麻薬の国家統計は新華社電のコピペから国内に伝えられている。中国がカンボジアに何を要求しているかが透けて見えてくるかのようだ。

新華社が伝えるカンボジア麻薬対策局の報告書によれば、容疑者の約48%は麻薬密売人、製造者、所持者、輸送者であり、52%は麻薬使用者であったという。カンボジアの麻薬拠点の取引の99%が第3国向けの麻薬であるとカンボジア国内メディアは伝えているように中国マフィアが根づくカンボジアは国際詐欺拠点が乱立するとともに、麻薬の国際取引のパブ拠点であることに中国が神経を尖らせている。中国はカンボジアとの友好関係を第一義としながらも、アヘン戦争以来の苦い歴史認識から麻薬の中国国内流入には厳罰をもって臨んでいるが、国内の麻薬問題を根絶するには到っていない。

カンボジアでは、「2025年1月から10月の間に、容疑者の所持品から合計5.48トンの違法薬物、516キログラムの乾燥マリファナ、12,212本のマリファナの植物が押収された」と報告書は述べている。

この東南アジアの国では、違法薬物密売人に対する死刑判決はない。

カンボジアの法律では、80グラムを超える違法薬物の密売で有罪判決を受けた者は終身刑に処される可能性がある。

掲載写真:新華社 Khmer Times

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