日本に続き、韓国も動く。詐欺拠点の韓国大学生拷問死事件、調査団派遣

カンボジア南部で8月上旬、残忍な拷問を受けた韓国人男子大学生の遺体が見つかり、韓国社会に衝撃が走った。

韓国では「高収入の仕事がある」などと誘われてカンボジアに渡航した後、拉致・監禁されるケースが相次いでおり、死亡した男子学生も詐欺団加担の被害に巻き込まれたとみられている。

李在明(イ・ジェミョン)大統領は自国民の犯罪被害防止に総力を挙げる方針を示しており、カンボジア側と協議するための政府代表団を15日に派遣する。

朝鮮日報によると、カンボジアで韓国人が拉致・監禁の被害に遭ったとの通報は、2022年に1件だったのが、24年は220件、今年は1~8月で既に330件と急増している。

カンボジアを拠点とした犯罪を巡っては、日本人も交流サイト(SNS)で「闇バイト」に応募し、特殊詐欺グループで電話をかける「かけ子」をしていたとして摘発される例が相次いでいる。

詐欺組織の勧誘の標的は若者 「息もできぬほど殴られた」という証言

韓国メディアによると、被害者の多くが20、30代の若者で、秘匿性の高い通信アプリや求職サイトなどを通じて勧誘されている。

カンボジアに到着後、特殊詐欺の「かけ子」などを強要されるが、拒否や逃走を試みたり、ノルマを達成できなかったりすると暴行を受け、違法薬物を投与されることもあるという。

国際的な犯罪組織が関与しているとみられ、中央日報は、犯罪は中国系の責任者の下で韓国人とカンボジア人が関与して行われているケースが多いと伝えた。

既に息もできぬほど殴られたと拷問の実態証言が当局によって把握されている。

従来、捕まるのは末端かけ子だけといわれていたが、今回は3人の犯罪現場の監督者である中国人3人が逮捕されている。韓国当局は世論の怒りの圧力受け、カンボジア治安組織に向けてアリバイ捜査で終わらせないという決意をもって調査代表団を送ってきたようだ。

タイとの国境紛争でのカンボジア側の弱みは、タイからカンボジア国内の詐欺拠点を30か所把握していると突き付けられ、この点では中国も足並みをそろえる治安の国際問題である。

掲載写真:朝鮮日報より毎日新聞

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