
2025年の<世界渡り鳥の日>を記念して、環境省はネイチャーライフ・カンボジア(NLC)と協力し、バードライフ・インターナショナルおよびマンダイ・ネイチャーの支援を受けて、「ツルに優しい米」の取り組みを紹介する短編映画を初公開しました。
このフィルムは、過去 3 年間のプロジェクトの成果と進行中の課題を紹介しており、特に、コミュニティの参加を促進し、渡り鳥、特に東南アジアで最も背が高く象徴的な水鳥である絶滅危惧種のオオヅル (Antigone antigone Sharpie) を保護する取り組みに焦点を当てています。
アンコール時代にまで遡るこの地域の文化と建築の中でかつて崇拝されていたオオヅルは、個体数の急激な減少により、現在ではIUCNレッドリストで「危惧種」に指定されている。
カンボジアでは、ツルは北部と東部の平原に営巣し、非繁殖期にはメコン川の氾濫原やトンレサップ湖の湿地帯に季節的に渡りをする。2024年の国勢調査では、国内に生息するツルの数はわずか178羽と記録されている。
研究者たちは、この減少は過去10年間の死亡率の上昇と繁殖成功率の低下に起因すると考えている。
2019年に開始された「ツルに優しい米」プロジェクトは、湿地生態系の保護、農薬使用量の削減、そして地域社会の生活向上につながる、生物多様性に配慮した農法の推進を目指しています。2025年現在、このプロジェクトはツルの重要な生息地にまたがる185ヘクタール以上の水田にまで拡大しています。
世界渡り鳥の日(World Migratory Bird Day)は、渡り鳥とその生息地の保護の重要性を啓発するため、年に2回、5月と10月に制定されています。2025年のテーマは「生息地の保護、コミュニティの構築、そして鳥に優しい空間の創造」であり、この映画は、そうした取り組みの啓蒙として制作されました。
同プロジェクトは、消費者に健康上の利益をもたらし、農家に経済的な支援を提供し、オオヅルの個体群を長期的に保護する「ツルに優しい米」プロジェクトを通じて栽培された米を購入することで、この取り組みを支援するよう国民に呼びかけた。
この短編映画は、2025年の世界渡り鳥の日を祝う啓発キャンペーンの一環として、一般の方にもご覧いただけるよう呼びかけられています。
掲載写真:環境省、国営カンボジア通信(AKP)