アストラゼネカ・ワクチン接種は申し込み殺到で中断 保健省の勇足か、一部外国大使館の早トチリか

これもまた、保健省にとっては想定外だったようだ。

7日の地元メディアでは、一部外国大使館が自国民に「無料、自己選択申告」でアストロゼネカの接種が受けられると通知したため保健省の接種プログラムは混乱に陥ったようだ。幸い在カンボジア日本大使館の慎重な対応(そうした通知を配信していない)ために外国人から聞いたという一部の在カンボジア日本人以外に混乱は起きなかった。きっかけは本サイトでも取り上げた保健省の広報のような地元メディア英語版の記事だが、そこでは本サイトは「我々は先ずは在カンボジア日本大使館に情報を確認するか、案内を待つのが無難でしょう。」と注意書きを添えて置いた。

<参照> 記事「保健省は60歳以上にワクチン接種を呼びかけ また、外国人にも接種 無料、自主判断」

こうした重要情報なら邦人保護のためにある日本大使館・領事班から在カンボジア日本人に配信メールで通知があるはず。また、地元メディア英語版でも保健省は慎重にアストロゼカのワクチンは60歳以上に勧めるという記事であった。どうしたことか、一部外国大使館からそれぞれの自国民に「無料、自己判断、申告」だけの情報が流れたようである

既に同メディアでは、7日の午後には、「アストロゼネカは60歳以上」「外国人の接種希望者が地元民より多い」と書かれた記事が出た。保健省も混乱しているなという印象であった。

地元メディアが8日朝、保健省の見解を改めて記事を掲載

そこで8日午前、同メディアは改めて次のような記事を掲載した。

保健省は8日、何千人もの人々が急いで接種を受けた後、過密状態のため、プノンペン、カンダル、およびプレアシアヌーク州でのアストラゼネカの予防接種を一時停止したという。

Mam Bun Heng保健相によると、「60歳以上の人々を対象としたアストラゼネカの予防接種キャンペーンは、当局がこの年齢層の人々と調整し、来て接種するように求めた後、3月10日に再開される」という。同大臣は、「地方自治体がデータを収集し、関係者に勤務時間中に州および地区の紹介病院で予防接種を受けるように勧める」とも述べたている。ただし、中国製のSinopharmワクチン接種ドライブは通常どおり続行するとのこと。

7日付けの記事のように「地元民より外国人のほうが申し込みを上回った」なんていうのは、カンボジア人からすれば本末転倒の話である。「アストロゼネカなら受ける」なんていう外国人なら受け入れがたい、というのもカンボジア保健省、カンボジア国民として当然である。また、60歳上に勧めるという保健省の見解も当然のことである。そうじゃなくてもあの手この手で「自分さえと割り込む輩」のニュースが諸外国にある。

いずれにせよ、今回のワクチン狂騒では「我々は先ずは在カンボジア日本大使館に情報を確認するか、案内を待つのが無難でしょう。」 我々は節度ある外国人である、という立場は日本人の矜持である、と思いたい。

*掲載写真:ワクチン接種 イメージ 画像:Khmer Timesより

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