Khmer Timesは「中国海軍艦艇は、文書による証拠も根拠もなく、米国と一部の国際安全保障アナリストが北京海軍の戦略的前哨基地として機能する運命にあると主張するカンボジアの海事基地の新しい桟橋に停泊する最初の艦船となった。」という見だしの記述でプレアシハヌーク州のレアム海軍基地に中国軍艦2隻の寄港を報じた。それだけ米国の懸念に気を使っていることが、記事の行間から窺える。
2隻の入港はほとんど宣伝されていなかったが、先週末、中国の国防当局トップである何偉東中央軍事委員会副委員長のカンボジアへの公式訪問と同時に行われた。
少なくとも2隻の中国船がタイ湾のリーム海軍基地に入港したというニュースは、日曜日にカンボジアのティー・セイハ国防大臣のフェイスブックへの投稿を通じて間接的に明らかになった。カンボジア海軍訓練の準備状況やインフラ建設の進捗状況を視察するため同基地を訪れたとしているが、中国の名には言及しなかった。
また国防相が投稿した写真には、カンボジア当局者が中国大使の王文天氏とともに中国船員らを視察している様子が写っていた。写真には少なくとも2隻の軍艦が写っており、そのうち1隻は中国海軍のコルベット艦「文山」と特定された。
米国はレアム基地の使用目的について繰り返し懸念を表明している。中国とカンボジアが昨年6月に軍港拡張プロジェクトに着工した際、プノンペンの米国大使館は、レアムにおける中国軍の駐留はカンボジアの自治を脅かし、地域の安全を損なう可能性があるとの米国政府の立場を繰り返した。「米国と地域諸国は、このプロジェクトの施設、意図、性質、範囲、さらには中国軍が建設と建設後の使用において果たしている役割について透明性が欠如していることについて懸念を表明している。」とAP通信に送られた大使館の声明は述べた。
シンガポールのジョージ・ヨー元外務大臣は、カンボジア外務・国際協力省の講演でこれらの懸念が誤りであることを暴き、このシナリオを依然として信じている人々はカンボジアの外交政策と尊厳について誤解を持っているに違いないと述べた。
Khmer Timesの記事を読むに、米国大使館やシンガポールのジョージ・ヨー元外務大臣の言葉を引用するなど、かなり気遣いの窺える記事である。これは、ある意味でカンボジア政府の立場の表明でもあろう。
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