在日カンボジア大使館は、カンボジア・デイリー紙が報じたような記事について、「日本で合法的に働くカンボジア人研修生や熟練労働者が失業危機に直面していることはないと確認した」と発表した。
8月18日、「カンボジア大使館の支援がなかったためカンボジア人労働者が窃盗を犯した」と主張するカンボジア・デイリー紙(同メディアは、カンボジア国内での活動を禁止されている)の報道に対して、在日カンボジア大使館は誤りであると主張している。
同在日大使館によれば、現在、紹介会社を通じて日本で働いているカンボジア人研修生と技能労働者は合計20,561人(女性9,587人)である。カンボジア・デイリー紙の報道によれば、「観光ビザで不法就労してくる個人や少数の就労者を除き、(技能研修生の)失業危機は発生していないと在日カンボジア大使館は確認している」とのことだが、「多くのカンボジア人研修生が日本への労働者派遣ブローカーの影響下で職場から逃亡し、不法就労している」とカンボジア・デイリー紙は述べている。
過去に同大使館は日本の省庁や機関と面会し、研修生を不法就労に引きずり込んだ悪徳ブローカーや、間違った研修生を受け入れた日本の雇用主に対する法的措置を求めたこともある、と述べている。
在日カンボジア大使館では、「研修生の職場からの逃走防止のため、常に管理組合、日本企業、カンボジア派遣会社と連携し、相談プログラムを実施し、研修生が職場から逃走した場合の影響や職場からの逃亡の影響について理解できるよう指導している。また、カンボジア労働省、カンボジア人材紹介会社、管理組合、日系企業、日本の厚生労働省、外務省などの関係者と連携し、カンボジア人研修生や技能労働者を支援し、日本の司法と技能実習管理機構(OIIT)と協力し支援サービスを提供する仕組みや仕事や生活上の問題を迅速かつ適切に解決するよう努めている」と述べている。
特に、「2022年に日本に派遣された技能研修生(インターン)が自殺した事件は、ただ逃げ出しただけで、労働者への圧力によるものではなく、ブローカーにだまされて不法就労させられたことが原因だった」という認識を示した。
「被害者は自殺前、OTIT海外相談センターの職員に相談し、(被害者が告発した日本の)ブローカーを約1週間追いかけた後、元の会社に労働許可の申請を連絡した。会社代表者は会社経営陣と協議するよう申し入れを受け、職場復帰に同意する予定でしたが、残念ながら被害者は自殺してしまいました。」と自殺の経緯を説明している。
なお、在日カンボジア大使館は、2022年のカンボジア人労働者自殺の件では、大使館チームは火葬と募金活動にも参加したほか、日本企業の代表者らと調整して葬儀の手配や遺族の要望に応じた物品のカンボジアへの送付などを行ったと述べている。
掲載写真:Khmer Times