サイクロン(台風)、ミャンマーとバングラデシュに大きな被害 死者多数

ミャンマーとバングラデシュの海岸部を14日、強力なサイクロン「モカ」が襲い、ミャンマーでは死者が出た。このサイクロン、最も強い「カテゴリー5」相当の威力となっている。また、ミャンマーの民主派勢力は、独自調査で200人以上の死者が出ていると報じている。

*動画:5月17日朝のNHK国際ニュースより https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230517/k10014069671000.html

サイクロン「モカ」は当初、バングラデシュにある世界最大の難民キャンプ「コックスバザール」への上陸が懸念されたが、直撃はしなかった。それでも、キャンプ内の数百の仮設シェルターを破壊した。

また、16日午前の時点では、ミャンマーでは、少なくとも6人の死亡が報告されており、バングラデシュでは、今のところ死者の報告は出ていない。

「モカ」は14日遅くまでに両国をほぼ過ぎ去った。バングラデシュの災害担当官カムルル・ハサン氏は、同国では「大きな被害はない」ものの、地滑りや洪水の被害がみられるとした。

直接的な被害はミャンマーのほうが大きかったとみられる。西部ラカイン州では家屋が倒壊し、電線が切断された。同州にある少数民族ロヒンギャ難民のキャンプも大きな被害を受けた。

現地メディアによると、同州で14歳の少年が倒木によって死亡した。また、ミャンマー各地で建物の損傷や倒壊があった。

ラカイン州の州都シットウェの住民は、街の9割が破壊されたと話した。街の大部分では、電気と無線通信が途絶えた。インターネットには、強風で通信タワーが倒れる映像が投稿されている。

ミャンマーの気象当局は、このサイクロンが同国を時速209キロメートルの速さで通り過ぎたと説明した。現地発のSNSに投稿された動画には、雨が降り続くヤンゴンで住宅の屋根が吹き飛ばされ、ビルから看板がはがれる様子が映っている。

当局は、インド洋沿岸部のラカイン州を自然災害地域に認定。ミャンマー赤十字社は、「大規模な緊急対応に備えている」とした。

ミャンマー 大型サイクロン上陸「200人以上死亡」民主派勢力報道、17日には400人も

 

都市部の被害の大きさを伝える民主派報道。NHK

ミャンマーでは大型のサイクロンが上陸し、暴風や大雨で家屋が倒壊するなどの被害が出ている。軍事政権の報道を当てにできないミャンマーから政権に抵抗する民主派勢力が独自調査による被害を伝えている。それによれば、イスラム教徒の少数派(ロヒンギャ)の人など少なくとも200人が死亡したと明らかにし、犠牲者はさらに増えるとの見通しも示している。

*最新情報:ANNニュース<「巨大サイクロン」ミャンマー西部に上陸…ロヒンギャ暮らすキャンプで約400人死亡か(2023年5月17日)>

これまでのところ、軍は詳細な被害状況を発表していませんが、軍と対立する民主派勢力はNHKの取材に対し、軍が支配する地域の協力者から集めた情報として、国内避難民となっているイスラム教徒の少数派、ロヒンギャの人など、ラカイン州内で少なくとも200人が死亡したと明らかにしました。そして17日正午過ぎ、ANNニュースでは約400人死亡を伝えている。

*参照:太平洋で発生した熱帯低気圧の気圧が低い暴風雨をもとなうものを「台風」とよび、インド洋では「サイクロン、大西洋、特にカリブ海域の発生するものを「ハリケーン」と呼ぶ。そして、それぞれ名前が付けらられている。今回、ミャンマーやバングラディッシュを襲った超大型サイクロンの名は「モカ」である。

掲載画像:BBC、NHKより

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