フン・セン首相は26日、サンポフ・ロウン高校のブット・ブンナ校長に対し、教室での男子生徒の髪の強制散髪をやめるよう要請した。警察が悪ガキの犯罪者にするのとは、訳が違うという後く常識的なことである。日本でいう不文律のブラック校則や部活動に見られる強制指導のようなものである。この点ではカンボジアの方が対応が速い。
ことの発端は、バッタンバン州サンポヴ・ロウン高校で、教師が男子生徒の髪を強制散髪したいう話が、SNS上で月曜日に国中に広まったためである。かつて日本の中学校には坊主が全員に強制され、それが嫌で転校や不登校が相次いだ。
1月26日、プノンペンで行われた卒業式で、フン・セン氏は全国の校長に、サンポヴ・ルン高校の教師の例に従わないように忠告した。
首相は「先生の髪は生徒より長いのに、どうして生徒の髪だけ切るの?」、「髪を切るのは構わないけど、クラスメートの前ではいけません。これは、学生とその友人にとって恥ずかしいことでした。ソーシャルメディアへの投稿が口コミで広まった後、学校について否定的な言葉が多すぎたため、今後この話にコメントするのをやめるよう人々に呼びかけた」という
バッタンバン州教育局長のイー・ソンキー氏は、同局の職員がサンポヴ・ローン高校の校長と教師に、学校での髪と制服のやり方と規則を変更するよう指示したと述べている。
「私たちは、サンポフ・ルウンの学校当局に、生徒たちと仲良くし、強制的に髪を切るのではなく、学校の規則に従わせるように保護者に依頼するよう指示しました」と同氏は述べた。
学校側の言い分では、一部の荒れた学校では、悪ガキの生徒、学生に手を焼き、強制散髪を導入したりのだろうけど、それは教育ではない、ということである。強制散髪は禁止したが、悪ガキ対策は学校内で処理するのではなく警察とも協力しなさいがないと、荒れるままの学校が増えるだけになってしまうことになる。
また、こうした細かな問題まで首相が要求する、まさに権威主義的家父長制国家の段階にカンボジアがあることがよくわかる。
掲載画像:Khmer Times