人権の擁護に積極的な市民の活動家は、関係諸機関に対し、スクラップスカベンジャー(廃品回収業、現地の人たちはエーチャイと呼称)に対して暴力を振るった4人のプノンペン都プランピマカラ地区職員の廃品回収業者に対す暴行について、行政規律を適用するだけなく、刑法を適用するよう求めています。
同告発は、3日(木)の午後、2 人の私服警官と地区職員の 1 人が廃品回収業者をつかみ、警棒で殴打する様子を映したビデオ 上にアップされた後、問題となった。
ビデオが流出した後、プランピ マカラ地区役所は4日(金)のプレス リリースで、ビール ヴォング コミューンのストリート 164 の交通整理を担当していた 4 人の職員(公務員)が、車の所有者、スクラップ カート、ベンダー カートの横に駐車していたことを確認しました。そこで廃品回収カートを取り除き道を開けようとしたという。しかし、職員の指示に若い廃品回収業者が道路からカートを取り除くことを拒否して役人を侮辱したため、乱闘で暴力行為となった主張している。同プレスリリースでは、事件の後、地区行政官は被害者の回収業者と会い、謝罪して自分の過ちを認めため、当局に対して苦情を申し述べなかったという。
「被害者に暴力を振るったプランピ・マカラの役人は教育を受け、法律と有効な法的文書に従って6か月の停職と罰金を科すことで罰せられた」と声明には述べられている。
この地区側の声明に関して、カンボジア人権開発協会 (ADHOC) の報道官:Soeng Senkaruna 氏は11月6日、公務員が公の場で市民に対して暴力を振るう事件は深刻で耐えがたいものであると述べた。これは、彼らが公務員であるため、彼らの倫理規定とカンボジアの刑法の両方に違反していると述べている。報道によるに、SNS上に公務員よる廃品業者への暴行が一方的なもので、動画が流出し、多くの人々の怒りを買ったため、慌てて地区役所が廃品業者に謝罪し、さらに暴行職員を行政処分に処したと思われる。
*プノンペンの廃品業者だが、近所の知り合いならともかく夕方から深夜に徘徊するエーチャイ(廃品回収業者)は、家の前にゴミ収集車を待ってゴミを出す多くの家庭に対し問題を起こしている者が多い。きちんと密閉したゴミ袋やごみ箱を開け、廃品を選んで売るための物品を回収するが、それはあくまでエーチャイのためで、多くはせっかくゴミ袋に詰めてきれいに並べても、エーチャイのなかには、辺りにゴミを散乱させたままでいなくなったり、また深夜をいいことにエーチャイの中には空き巣等の泥棒に変身する例が多いと地元の人の多くは語っている。そういうエーチャイ問題に当局が取り組んでいる形跡はない。大きな事件にならない限り、軽犯罪は野放し状態で、今回の事件同様にSNS上で話題にならなけばお咎めなしである。エーチャイにも問題が多いのは事実である。
今回の暴行事件だが、そうした背景による公務員の蔑視や警戒感から起こったとも言える。一過性で終わりにすることなく、エーチェイの仕事の在り方や認可制等に踏み込まなければ、都市の美化や犯罪、過剰な公務員の暴力問題の解決にはならず、人権活動家や人権組織が本来の人権擁護にならずに、世論に便乗した単なるチクリ屋になりかねず、状況の改善につながらない懸念がある。
掲載画像: