これ忖度?予定通り?カンポット州、全ての教室に首相写真の掲載を指示

カンポット州知事は、「州内のすべての教室で15日以内にフンセン首相の写真を表示する必要がある」と述べた。先週末の会議でのことである。

「すべての教室に1つ必要です、そして私がそれについて言及した後…私はチェックに行きます。私は15日間を与えており、すべての教育センターと教室をチェックしに行きます。わかりますか?"」とわざわざ念を押しをしている。

また同知事は、首相の画像を表示することで、生徒たちに「感謝の文化を植え付ける」と述べている。首相がいなければ、「学校の屋根は根とサトウキビの葉になります。(首相の)ために勉強できること、そしてあなたが歩く道はこれのためであることを覚えておく必要があります。」と付け加えている。

同知事はまた、学校の生徒と並んで、教員も首相に感謝すべきであると述べ、「教員の給料については首相にも非常に感謝している。」とも述べた。

これはカンポットの知事の発案ならば公的地位による私的忖度であり、このカンポット州知事の指示に他の州知事が追随するようなら、ある種の予定通りということになるであろう。州知事が直接指示できるのは公立学校であり、私立もなんちゃってインターナショナルを名乗る学校も同調するかどうか見ものである。また、海外のメディアがどう反応するかも注視が必要となろう。

ただ杞憂だが、現在、学校やクメール系企業に国王や前国王夫妻の写真が眼につく所に掲載されているが、これとどうやって並べるか、建前上、立憲政治の国家元首(政治的実権はない)と選挙ですげ替えが制度上行える首相の地位、掲示の仕方に現場も悩むところであろう。

なお、カンボジアの政治システムでは、知事は任命制で日本のような公選制ではない。知事が首相のお陰で今の収入源があります、といって自宅へ首相写真の掲示や、日々の感謝の言葉を述べ、廃棄しているのは何等問題とならない。実践垂範もかつて「一日一善」という競艇収益CM放送が日本で失笑を買ったことがある。あくまで私営利団体のCMに過ぎなかった。

掲載写真:イメージ Khmer Timesより

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