ロシアのウクライナ侵攻で物価高へ、家計への影響が懸念される

ロシアのプーチン大統領がウクライナでの「軍事作戦」を発表した後、大規模な侵攻が始まった。昨日、世界各地の株式市場は急落し、ロシアのルーブルは大幅に価値が下落した。一方で昨年後半から上昇を続けていた石油価格、大規模な侵攻の加速したため、一気に1バレル当たり100ドルを超えた。燃料価格の高騰はカンボジアにも大きな影響をもたらすであろう。

それは燃料価格の高騰に止まらず日常食料品まで輸入に頼るカンボジアでは昨年暮れ辺りから値上げであるが、今週に入ってスーパーの生鮮食料、特に輸入果物は一気に値上がっている。

ウクライナ侵攻は石油価格の高騰と共に諸物価急騰に

これからが大変だ! 日本以上にカンボジアでの家計への圧迫が大きくなり、外食産業も輸入食材に頼るところは影響が大である。コロナ禍に続く災禍である。フンセン首相の国家財政支出の削減の要請以上に家計支出の切りつめが必要になってくる。それが嵩じると外国人からお金を取れがやってくる。

石油価格の高騰は諸物価の高騰に跳ね返りが大きいと心したほうがいい

プーチンがウクライナ東部の2つの離脱地域を公認し、その地域に「軍」を進行させたのは表向きで、事実は3方向から大規模な軍事侵攻とウクライナの武装解除、政権転覆に邁進している。米国はクリミア、ドネツコ地域のロシアによる奪取を現状追認し、今回は「ウクライナ支援は続けるが、派兵はしない」と言明している。プーチンは目的達成まで侵攻を止めない。目的は「ウクライナ東部2州の奪取、政権転覆(そこまでいかなくと無力化)」であろう。世界市場は急上昇し、トレーダーは小麦や金属などの主要商品の供給の買い占め確保に狂奔している。

こうした危機は、「パンデミックからの脆弱な世界経済の回復がコースから外れる可能性がある」ことを多くの人々が恐れており、各国政府が需要増によっておこる「暴走インフレ」を抑えるのに苦労する。これは、私のたちの生活に直結する

プーチンの決断によるウクライナ侵攻は目的達成まで続くが、ロシアの問題は今後にある。ロシアの強権的支配層には直接の打撃は少ないが、経済制裁で国民生活は確実に悪化する。これ見よがしの侵攻はウクライナの国民意識は反ロシアに決定的に傾く、長い目でみればロシアの国民には悪夢の始まりになりかねない。21世になっても、ウクライナ侵攻は古典的な戦争の枠にはいる。プーチンの戦争は国内向けもある。まさに「戦争とは政治の延長である」(クラウゼヴィッツ)。政治は意識に直結しないが、生活は政治に直結する。プーチンはこの怖さを知ることになるだろうと思う。

掲載写真:ガスパイルライン(ドイツ) 画像:Khmer Times

 

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