ストゥントレインのメコン川、最後の河イルカの死で絶滅

ストゥントレインの街からラオス国境付近のメコン川と支流、Anglong Koh Chheuteal地区で唯一の河イルカは、1週間前、StungTreng州のBoreyO'SvaySenchey地区にあるPreahRumkilコミューンの漁網に尾が引っ掛かったときに負傷したため、本日死亡しました。治療の甲斐もなかったということであろう。これでストゥントレインのラオス国境付近のメコン川で河イルカ(淡水性のイラワジイルカ)は絶滅したことになる。それも人間の手で負傷し、手当てを人間が行ったが手遅れであった。昨年、昨日死んだイルカのつれあいがなくなり、たった1頭生き残りでその死で絶滅が確実視されていたが、あまりに早い死であった。

アンコールワットの再発見者として知られるアンリ・ムオの紀行文には、19世紀半ばタイ湾からカンポットに到り、そこから河川水路を辿ってプノンペン、ウドン、トンレサップ湖経由でシェムリアップ付近で上陸した。その紀行文にはプノンペン付近で河イルカを何匹も見かけ、ペリカンが遊弋していた。それが170年弱後にはわずかに省都クラチェ北のカンピ村の付近メコン川を残すのみであって既に100頭を割、80頭前後の生息である。メコンの汚れ、人間の食用や気まぐれ遊びの犠牲、そして今度もまた漁網の仕掛けである。漁網の仕掛けは禁じられていにも関わらずである。都市に身近な河川は生き物たちは先進国こそ復活が見られ、目先の稼ぎに追われる途上国こそ追い詰められている。

保護なんて「ジェラシックパーク」のような先進国のお金持ちのお遊びなんて思われているのだろう。

掲載写真:最後の河イルカの死(ストゥントレイン州) 画像;Khmer Times

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