保健省の発表する公式の毎日の新しいCOVID症例の合計(PCRテストによって診断された)は10日(一昨日)は274でした-すべてのオミクロンバリアント-COVID症例の合計は122,742症例になりました。そして11日(昨日)は300でした-すべてのオミクロン株-COVID症例の合計は123,042症例になった。もはや数値は操作されたもの?という信頼はないが、プノンペンでオミクロン株症例が急増し、拡大しているのは確かなことである。都内の公私学校でも中国正月明けにコロナ感染のために休みが出てきている。
保健省は、2月14日のバレンタインデーのお祝いの際に、COVID-19、特に新しいオミクロンの亜種の感染を防ぐための対策を強化するよう人々に呼びかける指令を出した。また保健省に続き文化省、教育省も新たな規則を設け、バレンタインデーの警戒を呼び掛けた。
同省は、毎年2月14日に、バレンタインフェスティバルの日に、特に若い男性と女性が集まり、歩いたり、一緒に食事をしたりする人がいると述べていますが、これはカンボジアの伝統ではありません。家族、両親、祖父母、親戚、友人、配偶者、カップルと愛を分かち合うこの外国の伝統は、COVIDを感染させ、ウイルスがコミュニティに大規模に侵入するリスクを高める可能性があります。
また、文化美術省は、親、保護者、あらゆるレベルの関係当局、特に若者に、良い伝統に従ってバレンタインデーを祝うために、教育、説明、指導に参加し、カンボジアの名誉と家族の尊厳、特に社会の名声の促進に貢献するために子供たちに思い出させるように呼びかけました。
同省によると、バレンタインデーと呼ばれる2月14日が近づいているという。現在、この日は特に若者の間でカンボジア社会に浸透しており、一部の人々はそれを受け入れて混乱させて使用し、国の文化、伝統、習慣に影響を与えている。
次に教育省は本日、全国の公立および私立学校でのバレンタインデーの不適切な活動を防止するための4つの措置を定めた指令を発表しました。
2月11日付けの指令によると、同省は、2月14日がバレンタインデーまたはカップルの日付であると誤解している学生が少数いることを観察した(そうは思えない!)と述べた。
「この日は私たちのカンボジア人の伝統ではありません」とそれは言いました。
*伝統でないというのは、バレンタインデーに限らず、クリスマス、さらいは国際新年を迎える31日のカウントダウンも当てはまる。ましてここ1,2年のハローウインも然りである。
「少数の若者が愚かな行動をとり、勉強を忘れ、個人や家族の尊厳を失い、文化やクメール国民の伝統を放棄した」と同省は述べた。
指令によると、教育機関を強化し、Covid-19の蔓延を防ぎ続けるために、同省は2月14日のバレンタインデーに不適切な活動を防ぐために以下の対策を導入しています。(先ずは聞き耳を持たない若者が圧倒的な多数である。貧富に関係するよりも家庭の堅実さに関連する)
◇ すべての利害関係者は、バレンタインデーの意味を誤解しないように、必ず学生に情報を広める必要があります。
◇ すべての教育機関と教室は、学生の欠席を定期的に監視することにより、特に倫理的管理に関して厳格に規律を強化する必要があります。
◇ 学校の青年評議会と子供評議会は「ピア教育」活動を実施しなければなりません。-教育者は、保護者、保護者、およびコミュニティと連携して、生徒が行う不適切な活動に関連する情報を提供および受信し、生徒の予防、教育、および改善にタイムリーに協力する必要があります。
水は低きに流れるーアジアの欧米コンプレックスと文化便乗ー
各省がバレンタインデーに次々と指令を出しているが、「水が低くに流れる」ように指令程度で誰にも止らられるものではない。旧ソビエトもそして強権で盤石を誇っているよう見える中国でも若者から欧米文化を奪おうといったイデオロギーで「資本主義の害毒」といっても、そう言ってる国の国民の数%の特権階級の腐敗の酷さと比べようもないささいなことであることを国民の大部分は肌で知っている。
中国の経済力や世界各地への進出しても、文化面ではエキゾチックな関心と在外中国人の懐古趣味の枠以上に出ていない。文化的な影響力はここ何十年圧倒的に欧米の影響力がアジアを文化や生活面を覆っている。戦後の日本からの現代史的視点で文化流行を見ればよく納得できるし、かつて日本で一世風靡した厚底ヒールがカンボジアに流行るのに10年かかったように遅かれ早かれ若者文化は更新されてゆく。
ここ10年のカンボジアを見れば、先ず欧米のマネから入ったのがクリスマス、その前はタイ正月ソンクランの水かけのマネであった。そして次にバレンタインデー、ハローウィンと来る。日本の流行は台湾、韓国、香港に即座に伝わり、そして数年遅れでタイで流行り、そしてカンボジアはその数年後である。だが、ネットとデジタルの時代はその伝わり方を早めている。
伝統文化の衝突のような決めつけは脳の老齢化と偏見に過ぎない。日本でもカンボジアでも出自はどうであれ、祭り化の一種に過ぎない。抑圧が強ければ爆発する人々のエネルギーは閉塞した社会ならかえって伝統の仮面をつけて新興宗教の爆発となるー中国の王朝末期の新興宗教団体の反乱、日本ならば10年に1度のお陰参りの高揚ー。ましてカンボジア、文化的にも技術的にも30年前にマイナスから出発した国である。10年ほど前頃から12月25日の夕方からプノンペン都内は異様な騒音に包まれる。若者男女のバイク走行がひしめくのある。まるで「さかりのついた猫」状態である。
だが日本だって笑えない。90年代から若者の政治意識の低落傾向と反比例に12月24日はラブホテルへの行列となっていた。タイなぞ、まだ暑いのに革ジャンの若者たちが轟音と共にバイクを走らせている。それが彼らにとって流行の先端なのだ。カンボジアのバレンタインデーなんてここ5年ほどの現象で最初に飛びついたのが、政商のドラ息子、ドラ娘たちである。そこに庶民大衆出自の若者たちが加われば、彼等は差別意識からプノンペンを脱出する。そしてよくて中国のお金持ちのドラ息子、ドラ娘のマネを始めたレベルである。だいたい、新年のカウントダウンなんていうものでリバーサイドに12月31日に集まるようになったのもここ5年である。それ以前は親も手に負えぬドラ息子とその取り巻きだけがカウントダウンに銃をぶっ放していた。伝統文化をないがしろにする外国文化何て言っているうちは、救いのない劣等感くる排外意識に過ぎない。外国文化に追いやられるような伝統文化なんて伝統に値しない国民に根付かなかった文化であったに過ぎない。
今回のバレンタインデーへの懸念はたった2つに絞る方が若者たちに効果的、
① コロナ感染対策
② 交通規制の強化
14日夕方から不要不急の外出をしないのが無難
カンボジア人のこうしたお祭り騒ぎでの懸念は「調子づくと歯止めがない」ことである。ニュースにはならないが、最も伝統的な文化であるカンボジア正月(クメール新年)やお盆の季節、毎年帰省先の村々で酒をめぐる喧嘩や気が大きくなった者たちの事故死が多い。それは全国的にみれば、クリスマスやバレンタインデーの時よりはるかに多い死者を出している。ただ、よくあることでニュースにならないことだけである。
ともあれ、2月14日のプノンペン夕方から外出予定のある方は、十分に交通事故にお気をつけください。文字通り興奮状態の若者のバイクがひしめいていますから。
掲載写真:イメージ 画像:Khmer Times