観光省が検討中 ワクチン接種済み観光客に隔離無し 11月受け入れ構想 

観光省の2度の検討案は立ち消えた

観光省の「ワクチン接種済みの観光客を隔離無しで受け入れ」の検討は、今年に入って3度目の検討中である。最初は7月受け入れ、次は10月受け入れだったが、今回は11月になった。前の2回は報道は有ったもののいつの間にか計画段階で立ち消えとなった。そして9月、国内メディアが観光省の11月受け入れ構想検討中を報じた。

タイはプ―ケット、ベトナムはフーコック島を外国人観光客に開放

これはタイが既に7月からプーケットを隔離無しで外国人観光客を受け入れる「プーケットサンドボックス」が始まり、今週にはベトナムが10月からフーコック島で同様な措置で受け入れる方針である。両国の動きを見て観光省は今年に入り同様の受け入れを検討してきたが、感染状況の悪化によって延期を余儀なくされてきたから閣議でさえ話題ならなかった。今回の3度目も外国人観光客受け入れも検討中であっても正式な閣議決定がなされていない希望的な観測段階である。既にタイのプ―ケットサンドボックスでは、8月にタイの観光庁主催で日本旅行業界の研修旅行も行われている。ベトナムもフーコク島が開放され同様の動きが具体的に動いて日本人の観光客が動きだす。

カンボジアはシェムリアップだったのだが

カンボジア・観光省としては、早くからアンコール遺跡群の玄関口シェムリアップを外国人観光客の受け入れ地として検討していたが、タイ、ベトナムと違って遠隔の海のリゾート地でないシェムリアップはプーケット、フーコック島のような地域隔離が困難な人流の激しい内陸の都市であることだった。

シェムリアップなのか全国なのか、構想が定かでない

9月に入って観光省は、タイやプーケットのような地域隔離ではなく外国人観光客の受け入れを検討しているかの如き報道があったが、その点が確かなら、観光省の外国人観光客受け入れは大きな転換したことになる。だが、国内メディアの報道ではその点には触れておらず、定かでない。

これが地域限定でないならば、タイやベトナム方式ではなく外国人観光客を受け入れることになり、観光省の提案が政府決定になるには一段とハードルが高くなる。カンボジアの喧伝するワクチン接種率だが、9月半ば現在で18歳以上で2回接種済みは6割前後である。それが9割以上になるというのが10月予定。そこで11月から動こうというのが観光省の見込みである。あくまで観光省の検討段階の構想であって紆余曲折が予想される。政府の閣議決定があってはじめて具体的な姿が見えてくるだろう。カンボジアを目指す観光客のほとんがアンコール遺跡群の見学であって、先ずはシェムリアップの地域限定開放が現実的だが、上記のような理由でタイやベトナムよりクリアしなければならない課題が多い。

*掲載写真:カンボジアの観光業はアンコール遺跡群の復活しかない 画像:Phnom Penh Post

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