カンボジアでは5月19日、稲作の季節の始まりを伝統的に発表する王立耕作の日(農耕祭)を祝った。
だが、プノンペンでは政府が5月までにCovid-19の制限を解除しただけであったため、公式の王立耕作式は間に合わなかった。
国内および国際フェスティバル組織委員会の事務局長であり、占星術師研究委員会のメンバーであるイム・ボリン氏は19日、「(この)式典は古くて重要なクメールの伝統である」と述べましたが、さらに「国内でのCovid-19の発生により、政府はこのイベントを3年間祝っていない」と付け加えた。
同氏は「王立耕作式は雨季の始まりを示し、また[カンボジアの]農民に稲の種まきと植え付けの季節が始まったことを知らせます」と述べている。雨季の始まりを告げる伝統的が儀式で、タイでも王室の伝統儀式として農耕祭を行っている。農耕祭で牛がどの穀物を食べるかの占いが行われ、今年の豊作・凶作が決められるが、今年はどういう結果になったのかは報じられていない。
上述のボリン氏は、降雨量は年の半ばには少なく、年末にかけては多いと述べ、メコン川沿いに住む人々に、7月と8月の洪水に警戒するように呼びかけ、昨年よりも状況が悪化する可能性があると注意し、稲作の収穫量が昨年よりも多くなるように、農民に早く植え始めて一生懸命働くように促したという。いかにも占星術師研究委員会のメンバーといった予測である。
なお、カンボジアでの王室の奴隷制度が廃止されたのは、20世紀前半のフランス統治時代であり、また、王室にはバラモン僧が大きな力を持って隠然たる権力の黒衣の宰相であったが、20世紀半ばにその制度も廃止された。
掲載写真:タケオ州の農耕祭 画像:Khmer Times