4月1日、プノンペン都に夜間外出禁止令が出され、2日の夜には警察車両が8時過ぎの碁盤の目状の道をゆっくり走り、開いている店に注意していた。小生が目撃したのは我が家の前の通りで開いているいるのはたった1軒、禁止令を知らないわけでなく無視しているのである。既に8時40分ほどになっている。この図々しさは元気な叔母ちゃんのいる店のほうが多い。要は様子見なのである。
1日~3日まで、100台以上の車とバイクが外出禁止令違反で摘発され、運が悪い者がいるがどうにかなるという連中がほとんどである。本気で車両が押収されて慌てだす、遵法意識の希薄なカンボジア人には一罰百戒が効く。アジアといっても権威に卑屈、顔色窺いは共通しても遵法意識に国の違いがでる。その点、カンボジア人はベトナム人よりタイ人に似ている。
4月3~4日の感染状況の推移
保健省発表 最終確定
【4月3日発表(4月2日夜時点の感染状況】
<2月20日市中感染事件>関連新規感染者 99名
プノンペン都:33人でカンボジア人33人。トゥボーンクモム州:4人でカンボジア人4人。
スバイリエン州:44人でカンボジア人44人、ベトナム人1人。カンダール州:5人で中国人5人。コッコン州:8人で中国人8人。タケオ州1人で、カンボジア人 1人。プレアシハヌークビル州で4人、インドネシア人1人・中国人3人
<2月20日市中感染事件>関連で累計2048人、カンボジアの累計総計2586人
【4月4日発表分(4月3日夜時点)】
<2月20日市中感染事件>関連の新規感染者43人
プノンペン都:25名でカンボジア人25人。シハヌークビル州で17人、カンボジア人 17名
スバイリエン州で1人、カンボジア人1人。
なお、入国検疫で新規感染者確認 パキスタン人 1名(46歳 女性)
韓国を経由して3月21日にカンボジアへ入国
<2月20日市中感染事件>関連で累計2091人、カンボジアの累計総計2630人
【4月5日発表分(4月4日夜時点の確認】
<2月20日市中感染事件>関連で新規感染者63人
プノンペン都:31人でカンボジア人30人、マレーシア人1人。コンポンチュナン州:2人でカンボジア人2人。カンダール州:1人でカンボジア人1人。プレイベーン州1人でカンボジア人1人。 スバイリエン州:22人でカンボジア人20人、ベトナム人2人。シハヌークビル州で6人、カンボジア人6人
<2月20日市中感染事件>関連で累計2154人、カンボジアの累計総計2693人
なお、<2月20日市中感染事件>関連で1日夜までに死亡者累計15人でしたが、6日現在累計22人になりました。
*なお、NHKの「特設コロナサイトウイルス」では、5日夜の時点でカンボジアの累計総計は2752人となっている。
4月2-4日の感染状況から解ること
以上、4月3日から5日までの感染状況である。ここから解ることは、
・プノンペン都の市中感染が依然として状況の改善が見られず、多くは2次、3次、4次感染である。
・シハヌークビル市も数は減っているが、感染状況はプノンペン都のミニ版である。
・コ・コン州が中国人のみというのは、明らかに州の東南端のダラサコ―・リゾート(中国による中国人ためのリゾート)地区内である。近隣のスダチ島では渡航船の乗客に対し警戒心が厳しい。
・カンダール州、スバイリエン州の中国人、ベトナム人、カンボジア人の感染者とは、ベトナム国境沿いのカジノ地域である。
・その他の州ではプレイベン州のクラスター発生も収まってきている。
・プノンペン都に続くコンポンチュナン州での夜間外出禁止令は少し早まった予防策に思われる。違反摘発例は0である。
・また、5日にカンポット州、ラタナキリ州で感染者を確認したという情報もある。なかでもカンボジア最辺境のラタナキリ州の感染者確認はまさにモータリゼーション時代での感染拡大を防げない典型例である。州のほとんどが高原地帯で住民の7割が高地クメール族と言われる先住民たちである。
プノンペン都の状況、都心部よりも周辺部に感染源がある
政府もプノンペン都の感染状況を注視している。特に1日以降、プノンペン都の周辺に位置するスティエンミアンチャイ地区、ルッセイケオ地区での感染者の発見が相次ぐ、ここ2週間の動きを見るに都心部のボンケンコン1区、2区より少し離れた地域、いうなればドーナツ型地域の新興住宅地や貧困層の住民が密集する地域であり、ここでの感染は暫く続くことであろう。また、閉鎖されたオルセイ市場では4日夜の段階で16人の新規感染者を確認しているが、閉鎖措置が効果を発揮するだろう、と思われる。
*掲載写真:イメージ 画像:地元メディアより