噂の「洪水終末論」騒動、統一教会カンボジア版?騒動は韓国、日本にも

1日、或る母親が、18 歳の自分の娘について噂に惑わされてクーレン山麓の農場に身を寄せた話をしました。この娘は、7 か月前に奨学金の研究を中退し、行方不明になりました。現在は、シェムリアップ州の今回の騒動である「終末論」運動のリーダーである Khem Veasna の農場にいるというという実例をあげて、国内メディアは終末論騒動を報道している。オウムのハルマゲドンの喧伝を想起させる。ハルマゲドンは起きなかったし、世界大洪水はまだ起きていない。こうした終末論、初めは預言者気どりで期限を設けるが、いつまにかに起原は永遠に延期される。ならば、起こるということは間違いにならないという無責任な詭弁である。

*下の記事の続報です。

国内メディア:Fresh News の報道によると、少女の母親であるコン チャントさんは、18 歳の娘は B レベルの試験で優秀な学生(カンボジアの学校での卒業・大学入学資格試験のレベルでの話)であり、パンナサストラ大学の奨学金試験に合格したと述べている。

しかし、少女は7か月前にプノンペンから家族の前から姿を消しました。Kong Chantho さんとその家族は、娘の失踪にをショックを受けたと述べています。

それから、ある日、彼女はビデオで娘が野原に座って「終末論」のリーダーKhem Veasna(彼は自称ブラフマー:古代インドの天地創造神、または「天の王」)の話を聞いているのを見ました。

ケム氏は、彼の農場を除いて地球を飲み込む黙示録的な洪水を予言した後、クーレン山麓の南にある彼の敷地の農場に推定20,000人の信者を集めました.

ビデオを見た後、Kong Chantho さんは Khem さんの農場に行ったが、まだ子供に会っていません。彼女は農場で娘を10日以上待っているという。

「このビデオを見て、娘が畑にいることを知るまで、ニュースはありませんでした。娘は私に知らせなかった。」とKong Chanthoさんは、述べている。

少女の母親によると、少女の失踪と「終末」運動と呼ばれるものへの改宗は、Khem Veasna の Coalition for Democracy のメンバーである Ou Ol という名前の教師によって引き起こされたものだという。Chantho さんによると、彼女の娘の別の友人も Khem Veasna の農場に行ったという。情報筋によると、多くの若いカンボジア人が家族から失踪し、学校を中退したり、仕事を辞めて運動に参加したりしている。

統一教会問題で揺れる日本、馬鹿げた他人事ではない

ノアの箱舟を模した洪水終末論、何とも不可解な預言をし、自らを古代インドの創造神:ブラフマーを名乗る声明者の荒唐無稽に思える話だが、これでカンボジア人を笑えないのは、日本では改めて統一教会の問題がクローズアップされているからである。統一教会はプノンペンにもその支部があり、そこに日本人信者もいる。けっこう在カンボジア日本人にも身近な問題である。

「統一教会」の件で明るみになった韓国起源の新興宗教は恫喝と脅迫神経症の信仰という名の組織化に似ている。統一教会は偏差な民族怨恨主義を原理(アダム、イブの論)とするもので、ご先祖の悪行を背負った日本人は贖罪のために韓国に金銭で奉仕するという北朝鮮独裁政権とも密通する怨恨ナショナリズムをバネとし、麻原のオウムより世俗的欲望主義、つまり自称教祖のルサンチマン(怨恨感情を憎悪支配に)バネとした歴史認識を合理化する土俗的な「ご先祖祟り信仰」の側面(これが霊感商法に結びつく)が強く出た宗派(セクト)であるというのがごく普通の認識である。なお、統一教会関係の被害者弁護団は、日本では統一教会員は多くて8~10万人弱と述べているが、多くの在日本の宗教団体の公称する信者数は、合計すると日本の人口数よりも多くなるというけったいな信者数であるから、実数は不明である

日本とカンボジアの人口比から言えば、終末論で農場に駆け付けた人々の2万人ほどは、どこの国でもこうした騒動が、けして珍しいことではない。歴史的には、中国史では、王朝の末期になると新興宗教が拡がり、その氾濫が王朝滅亡のきっかけとなっている。

今回の騒動が終われば、国内では、農場に集まった多くの人々は憑き物が落ちたようになるだろう、思われている。

*Wikipedia「世界平和統一家庭連合」によれば、日本の皇室、政界、経済界や学界にも影響力を行使しようと喰い込んでいるという。

自称ブラフマー神(天の王)の取り巻き、農場での集まりを終える

農場に集まった人々の解散に署名する終末論提唱者たち Khmer Yimes 9月2日付

クーレン山の近くの農場で自称政治家ケム・ヴェアスナ(泡沫政党の党首)の「終末」集会を組織した6人が、会衆が月曜日までに解散することを保証する文書に署名したという。

文書に署名した6人は、農場主のNy Chanpinith(39歳)、Chin Thon(42歳)、Chhoeuy Bunthoeun(40歳)、Soung Kunthea(42歳)、Sam Lyma(30歳)、Touch Puthsoryda(31歳)であったが、なぜかSNSにビデオで終末論のメッセージを発信したケム・ヴェアスナ氏の名前はない。自称「天の王」はまさに雲隠れか。

*記事によれば、人々が集まった農場はチャンピニスという人物の所有でヴェアスナ氏の少輔ではないようである。1日までのKhmer Timesの報道では、クーレン山麓の農場はヴェアスナ氏の農場とされていた。

1日、フン・セン首相は、公式フェイスブックで

 6人の署名された「解散」声明を公表

6人は声明の中で過ちを認め、当局の許可なく8月23日から30日までシェムリアップ州バンテアイ・スレイ地区のトゥマー・チュル村の人名:チャピニスの37ヘクタールの農場に人々を集めたことについて謝罪した。チャンピニスは民主主義連盟の党員であり、ヴェアスナの指示に従って行動していた、と述べた.

「私たちは人々のための避難所の建設を中止し、再び避難所を建設する必要がある場合は、関係当局に適切に許可を求めます。今のところ、設置されているすべての避難所は解体されます」と彼らは述べている。

「解散」声明の署名者たちは、人々が月曜日までに解散しなかった場合、当局に適切な行動を取るよう促したという。「私たちは独自に、人々に立ち去るように忠告します。月曜日の午後 5 時 30 分までにそうするよう伝えます」と彼らは述べている。

それにしても、集めておきながら、帰らない者は当局に任すとは、何とも無責任な政党幹部の姿勢である。

騒動は国際化に!終末論で韓国から約400人、日本から100人が帰国

一方、労働省・報道官Heng Sour氏 は、Veasna の終末の予言が広まった後、8 月 23 日から 25 日の間に、韓国の約 400 人の出稼ぎ労働者と日本の 100 人の出稼ぎ労働者がカンボジアに戻ったと報告した。

昨日アップした噂「終末論」の記事の段階では、フンセン首相まで動くのか、とある種の驚きであったが、その背景にカンボジア国内での外国企業経営の工場労働者たちのことか、と認識していたが、実は報道官の発表のことであった。要は、韓国や日本から契約違反で勝手に帰国したカンボジア人労働者が500人ほどいたということだった!

それ故に31日(水)、フン・セン首相はプノンペンの立体交差点起工式でのスピーチで、「ヴェアスナのために労働者の帰国によって影響を受けたすべての外国にある企業に、法的救済を求めないでように訴えた」と述べた。

同首相は、「海外で働き続ける出稼ぎ労働者には、迷信を信じるのをやめてそこで働き続けるよう訴えます。雇用契約を破ると、再雇用は容易ではないからです」と述べている。労働契約を一方的に無視して勝手に帰国した労働者というのは、日本の場合は技能研修生たちであろう

在韓国、在日本のカンボジア大使館職員は、韓国と日本の雇用主を訪問し、遺憾の意を表したという。こりゃ中国マフィアの跋扈に続く、とんだ国際問題で、カンボジアの国際的な信用失墜になってしまった。

掲載写真:Khmer Timeより

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