4月7日晩、日本のニュースで大きく取り上げられた「カンボジア発の特殊詐欺事件」は、翌8日には現地の国内メディアも大きく取り上げていたが、その後の9、10日のニュースでは全くスルーであった。だが日本国内では、その後も同事件についての報道が続いている。
*下の記事をご参照ください。
*動画:ANNニュース 1月10日昼のニュース https://www.youtube.com/watch?v=BvCzvYbmF1s
現地当局の取り調べに容疑者たちは応ぜず
特殊詐欺を行ったとしてカンボジアにいる日本人19人に逮捕状が出ている事件で、拠点とされている現地のホテルを捜索したカンボジア警察の幹部は、19人は事情聴取に応じなかったと明かしました。 詐欺拠点の捜索にあたった警察幹部は「彼らは自分の名前を言う程度で、調べには応じませんでした。観光するためにシアヌークビルに来たと話していました」と述べている。
日本の警視庁より逮捕状が出ている日本人19人は特殊詐欺グループの「かけ子」などで、カンボジア南部のシアヌークビルにあるリゾートホテルを拠点にしていたとみられています。 カンボジア当局は、現地の日本大使館に寄せられた情報を元にホテルの部屋を捜索し、携帯電話やパソコン、詐欺のマニュアルとみられる書類などを見つけたということです。 拠点の捜索にあたった警察幹部:「19人の日本人は私たちに協力的ではなかったです。何も答えませんでした。パソコンは何重にもパスワードが掛かっていて、ログインすることも難しかったです」 とのことである。
日本の警視庁、現地に50人の捜査員を派遣した
特殊詐欺に関わった疑いでカンボジアにいる日本人19人の逮捕状を取っている警視庁は、日本への移送に向け10日、捜査員を現地に派遣しました。19人はカンボジアを拠点にした特殊詐欺グループとみられ、警視庁は11日、全員を日本に移送し、逮捕する方針です。
捜査関係者によりますと、警視庁が逮捕状を取ったのは25歳から55歳までの日本人19人で、ことし1月、都内に住む60代の女性に有料サイトの料金が発生していると、うそのメッセージを送って電子マネーおよそ25万円分をだまし取ったとして詐欺の疑いが持たれています。
19人は、カンボジア南部の都市:シアヌークビルのホテルを拠点にした特殊詐欺グループとみられ、警視庁は日本に移送するため10日、現地に捜査員を派遣しました。
羽田空港では午前中、捜査員およそ50人がカンボジアに向けて出発しました。
既に詐欺マニュアルや日本人名簿、パスワードのかかったパソコンなどが押収されているのだから、シラを切っている容疑者たちも、警視庁の取り調べとなるとどうなるか、見ものである。
現地当局に拘留されている19人の日本人は取り調べに応じていないというが、日本に連行され、取り調べが本格化すればタカを喰った容疑者たちもそうはいくまいと思われている。この特殊詐欺事件、加害者が被害者と会うことなく電子マネー経由で完結する犯罪行為だが、やがて出て来る容疑者たちの自白から、詐欺組織の実態が明らかになるだろう。それによって海外に拠点を置く詐欺犯罪の黒幕次第では日本国内の捜査によって国内での逮捕者も出て来る可能性がある。警視庁の捜査の焦点は現地の「かけ子」ではなく、詐欺組織者であることは間違いない。
*上記の記事は、4月10日のANNニュースやNHKニュースなど、日本国内メディアの報道を典拠としています。
カンボジア国内からの報道が途絶えても、今後も同事件の推移を<続報>として本サイトでは取り上げていきます。結果次第では、カンボジア国内メディアも再度取り上げる可能性もあります。
掲載写真:NHKニュースより