<続々報> カンボジア拠点の日本人詐欺団19人を強制送還、機内で逮捕

カンボジア・シハヌークビル市郊外のオートレスビーチ沿いのホテルを拠点としていた日本人オンライン詐欺集団の事件ですが、カンボジア国内メディアの報道は、日本国内メディアの報道を一日遅れで「なぞるだけ」で、報道内容も日本で報道されている以上のことは、何等、報道されていません。

以下、政府広報をも担っているKhmer Timesでの報道も要約すれば、次のようになります。

19人の日本人犯罪者が東京に上陸した際に警察に拘束された。 この事件は、 日本の人々を標的とした電話詐欺を実行した罪でカンボジアから強制追放されて数時間後である。約50人の日本人警察官が4月10日(月)にカンボジアに到着、容疑者はチャーター便のマレーシア航空の機内で逮捕され、日本に帰国した。20 歳から 50 歳までの 19 人の男性は、電話詐欺の容疑者が日本で犯罪を犯したと、本国で裁判を受けることになる。このグループは、南部の都市シハヌークビルのホテルの部屋から活動していたと考えられている。日本の捜査筋は、このグループが1月に東京都在住の60代の女性から約1,900ドル相当をだまし取った疑いで逮捕状がでていた。

(カンボジアは日本大使館からの要望で)素早い身柄引き渡し手続きの後、両国の警察が共同で大規模な捜査を行った。両国の警察は、容疑者たちがカンボジアから電話詐欺を実行したのは、日本よりもここでの活動が発覚する可能性が低いと考えたためだという。

以上がKhmer Timesの記事内容ですが、既にカンボジアから強制送還、日本領土内での機内での逮捕状執行、現在は都内で分散拘留中で今朝から取り調べが始まっているのですから、新たな容疑者の逮捕がない限り、今後、カンボジア国内メディアが取り上げることはほとんどないと思われます。

一方、日本国内では、下の記事内容が出る前日の4月7日(金)の夜のTVニュース以来、各報道局が競って報道が続き、現在に至っています。日本国内の報道では、カンボジア国内メディアが後追いする以上に様々な内容が競って報道されています。そこでいくつかの新たな事実?がでています。

① 在カンボジア日本大使館への通報は、詐欺団のかけ子の1人のSOS通報である。(ただ、この事情は日本大使館が公式に認めているかどうか不明である)

② 4月10日のTBSニュースに登場した詐欺拠点のホテル前での動画。そこに写る詐欺団メンバー。TVでは不鮮明な動画だが、現実には鮮明であろう。(この動画、詐欺団内部の人物の撮影、TBSが手に入れた経緯不明、同動画の撮影の経緯や日本大使館通報の経緯との関連等も不明)

③ 19人の逮捕者のほとんどはかけ子だが、一人暴力団関係者が含まれており、氏名・年齢・所属暴力団名も公表されている。

④ 事件の摘発は、2023年1月である。証拠品の押収物には、詐欺対象メンバーのリスト(70人余)、それに詐欺での被害者が連絡する電話番号が書かれていた番号記載の紙が発見され、証拠品として押収している。

⑤ カンボジアでの詐欺拠点化の動きは2000年から始まっていた。

⑦ 今回の事件が何よりも大規模な捜査(捜査員50人の派遣、チャーター機使用)となって日本内外の耳目を集めている。実はこの事件は、「日本政府肝入りの捜査事件」である。

それは、日本の国会で今年度予算が成立直後に、岸田首相の語った「詐欺団対策の決意」を奇しくも象徴する事件となった。

既に首相は3月17日、全閣僚に闇バイトやオンライン詐欺の省庁横断の取り組みの指示が出ており、当然の如く各国の日本大使館にもその指示が徹底されていたはずである。

思えば、カンボジアを拠点としたオンライン詐欺団については、3月17日の閣議以前に警察庁から岸田首相の元には早くから報告が上がっており、それが大量の捜査官派遣、チャーター機使用、現地大使館の緘口令の徹底という形に現れている。

ある意味で、岸田内閣の威信を賭けた捜査事件と言える。

*参考:下の首相官邸の公式動画と新聞報道記事をご参照ください。

YouTube動画

「政府が闇バイト対策決定 岸田首相、省庁横断の取り組み指示」(産経新聞 3月17日)

https://www.sankei.com/article/20230317-N6QQQRLYBVJMLPUNIYSZ2WPK3E/

と言う訳で、既にカンボジア拠点の日本人詐欺集団の事件の舞台は日本に移っており、事件に関する報道は日本国内ニュースのほうがはるかに詳しいです。従って本サイトでは、皆様に日本国内の報道をご覧くださるようお願いする次第です。

掲載写真:Khmer Times(日本のニュース動画よりキャプチャー)

 

おすすめの記事