首相、当局にクジャクの返還命令、林業法の改正を指示

フン・セン首相は2月28日、絶滅危惧種の保護における公共の役割を挙げて、人々が自宅でそれらを育てることを禁止する森林法の改正を指示した。首相の同指示によって、コンポンチュナン州のボリボル地区で繁殖者が飼育したクジャクが関係当局によって没収され物議を引き起こしていたが、繁殖者に返還されることになった。

首相によると、「当局は人々に絶滅危惧種を没収するのではなく、飼育するよう奨励すべきだ」と述べている。

同首相はまた、「住民に絶滅の危機に瀕している動物を飼育する法的権利を与え、それによって彼らが国の保護活動に参加するのを助けることを目的に修正が命じられた」と語った。

農林水産省・ケオ・オマリス局長は、イム・サム・ウンさん(34 歳)が飼育していたクジャク 20 羽を没収し、プノンタマオ野生生物保護センターに送っていた。林業法第 96 条によると、絶滅の危機に瀕した野生動物の飼育と繁殖は、1 年から 5 年の懲役と最高 25,000 ドルの罰金を科される罰則違反となる。

ところが、フン・セン首相は、農林水産省に対し、押収したクジャクを所有者のイム・サム・ウン氏に返還するよう命じ、農林水産省に法律の改正を求めたことになる。さらに首相は28日、「押収に関与した省庁に対し、クジャクを速やかに所有者に返すよう指示した」と述べている。

改正されるまでは現在の法律の効力が生きている訳で、法治国家としてその整合性はいかがなものか、という疑念は当然生じる。

掲載写真:返還されるクジャク 画像;Khmer Times

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