ここ1週間、カンボジア政府・観光省が張り切っているようだが、動揺が隠せない。
1月以来、何度も地元メディアへのチークで打ち上げた構想は先細りか立ち消えになり、9月に入ると「隔離なし外国人観光客受入れ」構想を打ち上げたが、その先走りはフンセン首相の次の声明で慌てて構想取り消しに走った。一方で観光省大臣はカンボジア国内に拠点を置く2つの航空会社に国際線再開準備を要請すると共にフンセン首相の方策を見極めてと、慎重な姿勢にもなっている。
昨日(23日)、フン・セン首相は、「カンボジアが国内および国際的な観光活動を迅速に回復し、業界を将来の危機に耐える持続可能な包括的モデルへの移行経路に置くための4つの戦略的アプローチを策定している」とコメントした。首相は、9月27日にコートジボワールが主催する第41回世界観光の日(WTD)の国際的な祝祭に関連して、「包括的成長のための観光」をテーマに発言しました。
首相は、9月27日にコートジボワールが主催する第41回世界観光の日(WTD)の国際的な祝祭に関連して、「包括的成長のための観光」をテーマに発言しました。同コメントは、9月17日のフンセンが、王国がCovid-19に対してワクチン接種された国際的な行楽客にすぐに門戸を開く可能性があることを示した後に触れたものである。
首相は、「Covid-19危機が世界の観光産業のすべてに大打撃をもたらしたことを強調し、2020年の世界の国際観光客の到着数は73%減少し、1億から1億2000万の直接観光の仕事と、何億もの間接の仕事が危険にさらされたと彼は世界貿易機関のデーターを引用し、カンボジアでは、2020年に海外からの観光客の到着が80.2%減少し、11万人以上の直接観光の仕事と数万人の間接の仕事に影響を与えたと彼は述べ、この否定的な傾向は2021年まで続いている」ことに触れた。
続いて「現在の状況を考えると、新しいCovid-19ウイルスの亜種が世界中に広がり続け、将来は不透明なままであるため、カンボジア王立政府は、Covid-19に対して人々にワクチン接種するための政策を導入することを含む重要な戦略的角度を特定しました。」このアプローチはまた、「行政的および健康志向の措置、特に社会経済活動の完全な再開のバックボーンを形成する<3つのすべきこと>と<3つのすべきでないこと>の規則の実施を段階的に改善し続けることで<ニューノーマル>の状態に依存し、高度な責任を必要とする段階である」と述べた。
首相が提唱した4つの戦略アプローチは、次のとおりです。
1.ワクチン接種の推進力を高めて、国内外の観光客の信頼を高め、安全を確保します。
2.民間セクター、国内および国際的な開発パートナー、関連機関、地方自治体、および若い世代が、より多様な観光サービスの創出と維持に向けて協力することを奨励する。
3.業界の持続可能な開発のための観光能力開発と青年労働者の訓練に関する関係省庁間の協力。
4.国内観光を奨励するための「安全なカンボジア」キャンペーンを実施する際に、安全性と快適性の考慮にもっと注意を向ける。
重要なのは、特に1,4の具体的な方策である。
既に9月22日の観光省の会議で、トンコン大臣は、「ニューノーマル」の要求に応じて、観光名所での標準操作手順(SOP)の遵守をより確実にする方法に取り組んでいることを確認したという。また太平洋アジア旅行協会カンボジア支部会長のThournSinanは、9月23日、地元メディアに対し王国の模範的な予防接種率は、観光産業の再開と再建において貴重な資産になると語っている。
要はワクチン接種の進展次第と上記の外国人の受け入れ条件提示とそれに対する人的・物的整備を観光省が具体的方策として提示するかできるかどうか、にかかっている。上記の4つのアプローチを読むに国内観光で先ず「安全なカンボジア」を実現し、それから外国人勧告客受け入れといようにも読めるが、観光省も太平洋アジア旅行協会カンボジア支部会長もすぐにでも外国人観光客を受け入れという方に走っている感がある。
現時点では「安心なカンボジア」の安全性と快適性は未だ具体的なイメージは希薄で「観光地でのワクチン証明書提示」ぐらいである。
掲載写真:Phnom Penh Post