農業省 メコンデルタ(トンレサップ、メコン流域)は危機に瀕している
ベトナム メコンデルタは危機に瀕す

ベトナム政府・農業農村開発省は年頭に、これからの乾季に予想されるメコンデルタの厳しいと干ばつと塩水侵入に対処するための解決策の実施に関する指令を発令した。2022年は、メコン川流域の水不足の年になると予測されている。

同省の報告によると、メコンデルタの増水は現在、ほぼ何年にもわたる平均的なレベルにあるが、乾季のメコンデルタの重要な追加水源であるカンボジアのトンレサップ流域(トンレッサプ湖を源とする河川流域)は、現在、同時期の平均である約30億立方メートルよりも低いレベルにあり、上流の水力発電所の平均総貯水容量は、現在、設計容量の80パーセントしか満たしていない。そのため上流の貯水池がこの乾季の最初の数ヶ月間の排水を制限する可能性が高いと述べた。

メコン川本流の流量は急激に減少する危機が迫っている。2021年から22年の乾季の最初の数ヶ月にメコンデルタに流入する水の量は、平均レベルよりも低く、上流の水力発電所の運用に応じて水量が変化する可能性がある。事実、トンレサップ湖の湖水面は雨季の増水期でも湖面が例年より低く、12月末から始まるトンレサップ流域のカンボジアでの漁獲量は例年の半分に急減している。

メコンデルタへのメコン、トンレサップ流域から水量が低下すれば、この乾季の塩水侵入は平均レベルよりも高くなる可能性が高く、農業生産と人々の生活のための水の運用と収穫に大きな影響を及ぼす。干ばつや塩水侵入を防止しするため、同省はメコンデルタの地方人民委員会に水文気象予報と塩水侵入の進展を緊急に監視するよう要請した。

メコンデルタ地域は、2015-16年と2019-20年に起こったような極端な塩水侵入に対処する計画を含め、各地域の実際の状況に沿って干ばつと塩水侵入を防止および制御するためのシナリオと対応計画を作成するよう求められている。

掲載写真:VNニュースより

カンボジアのメディア 「メコン川は最低水位になった」と報道

17日付のカンボジア政府系Khmer Times 紙は「メコン川は最低水位になった」という記事を掲げている。ベトナムからの警告が現実化したのである。

同記事によれば「メコン川の流量は60年以上で3年連続で最低レベルに落ち込み、2020年は10月を除く毎月の降雨量が通常のレベルを下回ったメコン川下流域で最も乾燥した年でした。」、メコン川委員会事務局は先週、100ページの長いレポートを発表し、「2019年から2021年のメコン低流量と干ばつ状況」は、2015年以降、乾季の流量が増え、雨季の流量が減少したことで水文レジームが変化したと述べています。流域の貯水池の増加によるものであるという。

掲載写真 VNニュースより

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