<終わりなき闘い> 2日間で18人の中国人を密入国で拘束 ベトナム国内で連日多数
A group of six Chinese citizens, who made illegal entry into Vietnam by sea, are pictured at the facility of local authorities in Mong Cai City, Quang Ninh Province. Van Anh / Tuoi Tre

2日間で18人の密入国中国人の摘発、コロナ禍は彼らのチャンスか

過去2日間に、18人の中国人がベトナム国境を経由して不法入国したとしてカンボジア当局に逮捕された。いずれも合法的な渡航文書を持っておらず、それらはすべて法的措置がとられるまでそれぞれの州で隔離されている。

タケオ州のBorey Chulsa地区副警察署長:KeoChamroeun少佐は9日、ベトナムのアンザン省から同州 Borey Chulsa地区Chey Chouk区を午前7時頃にのに歩いていた5人の中国人(男)と1人の中国人(女)を逮捕されたと発表。「政府が新型コロナウイルスで国境を閉鎖したにもかかわらず、中国人の男女は国境警備が厳しく管理されているの密入国した国に」と同少佐は語った。5人の容疑者は先ずタケオ州のセンターに拘留され、14日間の強制検疫を行ってから、尋問のために法廷に送られる。

9日に、タケオ州プレイカバス地区警察署長:ロスカカダ中尉は、プレイカバス地区で車で移動中の9人の中国人男性を逮捕したという。

また同日、タケオ州KohThom地区警察:副長官Keo Bunly少佐が、ChreyThom区で3人の中国人男性を逮捕したという。

8.9日だけで18人の中国人密入国者の逮捕となっている。

タケオ州の位置

イタチごっこの中国人密入出国ルート

ベトナムのメ​​コンデルタ地域にあるアンザン省の当局もまた、多くのカンボジアへ渡航目的の密入国中国人を摘発している。

ベトナム当局 多くの密入出国の中国人、ベトナム人ブローカーの摘発

ベトナムのメディア:tuoitrenews.vn(「青年」)によれば、

アンザン省の位置

3月4日、チャウドック市の警察は、アンフー地区の警察と協力して、2人の女性と5人の男性を含む7人の中国人と一緒に車を止め、国境を越えてカンボジアに侵入しようとした中国人8人を拘束した。容疑者の中国人によると、3月1日午後9時ごろ、ランソン県のフウニ国境ゲート近くのトレイルからベトナムに不法入国するよう指示された後、7人乗りの車に乗せられてたという。ホーチミン市へのバスで、チャウドック市への別の7人乗りの車に乗り続けました。

タンチャウタウンの地方当局は、3月6日の午後9時頃にチャウドック市からホーチミン市に向かう14人の中国人を乗せた2台の車両を発見し、14人を逮捕した。

・また、7日のアンザン省警察によれば、チャウドック市警察も国境を越えてカンボジアに侵入しようとしている13人の中国人を乗せた車両を止め逮捕したという。逮捕後に尋問を受けた13人の中国人男性は、中国の南寧市を離れ、ベトナムとの国境まで山道で辿った後、ランソン州北部のフウニ国境ゲート近くの小道を通って東南アジアの国に不法に侵入したという。

・8日の夜にアンザン州で開催されたCOVID-19予防と管理のための運営委員会は、アンザン州のタンチャウタウンとチャウドック市から密入国中国人34人の逮捕の報告を受けたという。

ベトナム当局の中国人密入国者の連日の逮捕にも関わらず、網の目を潜るようにカンボジアに密入国した中国人が逮捕されているが、これもまた氷山の一角であろう

明らかに中国ーベトナムーカンボジアの人身売買密入出国のルートがあり、その手配の裏組織(シンジケート)があることは明瞭である。また、その裏組織は3国のそれぞれに存在し、一つではなく複数併存している様である。中国からベトナム経由でカンボジアへのルートでは男性が多くカンボジアからベトナム経由で中国へはカンボジア女性が多い

<2月20日市中感染事件>関連で検疫脱走でカンボジアからベトナムに密州国するベトナム人もおり、またタケオ州で捕まった検疫逃れの中国人7人など逮捕場所から考えてプノンペンからべトナムへの脱出を目指していた形跡がある

ベトナムはコロナ禍第2波(7月半ば~9月初め)で初めて死者をだしたが、その時点でコロナ感染源は中国から密入国者ではないか、という疑いもあった。未だ目途が立たないカンボジアの<2月20日日市中感染事件>のコロナ禍第3波も中国人男女4人の検疫ホテル脱走が原因であった。

中国=ベトナム経由=カンボジアは行き帰りの2つのルートとも、ベトナムでの摘発が多くカンボジアでの摘発例は少ない、これは当局の能力の問題でもあろうが、摘発は氷山の一角である。それゆえに<懲りない連中>が続出する。

何のために密入国中国人のカンボジア渡航ルートがあるのか

そして一つ大きく気になるのは、何のための中国人のカンボジア渡航への目的であるのか。男が多いのだから、単純に出稼ぎ労働者と言ってしまえば簡単である。だが、2019年当時にカンボジアの裏社会の違法賭博や麻薬を仕切っていたのは香港マフィアの三合会の一つ、そのボスは米国から資産凍結指定を受け、今はミャンマーにいるらしい。それ故、単純に出稼ぎ労働と言っても、中国化著しいシハヌークビルなぞ、中国マフィアがらみの仕事があり、それも人手不足なのであろう。中国マフィアにオレオレ詐欺の本土中国人向けもカンボジアが舞台であった。

*掲載写真:密入国で逮捕された中国人 ベトナム・クアンニン省 イメージ

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