米国の国務次官補:ダニエル・J・クリテンブリンク氏は、5月1日から7日までカンボジアとラオスを訪問する。
4月30日(土曜日)の在カンボジア米国大使館の声明によると「この訪問は、この地域で最も若く最もダイナミックな2つの社会への米国のコミットメントを浮き彫りにし、ASEANの中心性を強化し、大メコン圏と米国のパートナーシップ境界の課題と安全でオープンで繁栄したメコンサブリージョンの促進を目指す米国のコミットメント」を強調している。
カンボジアでは、クリテンブリンク氏がプラック・ソコン外相やその他の高官、若者や市民社会のリーダーと幅広く会談し、ASEAN議長国としてのカンボジアに対する二国間関係と米国の支援について話し合うという。
ラオスでは、クリテンブリンク氏が米ラオス包括的二国間対話を主導し、米ラオスの緊密な協力について話し合い、2022年のメコン米パートナーシップ共同議長としてラオスとのより深い関係を築きくためであるという。クリテンブリンク氏は、サルムサイ・コンマシス外相、トンファン・サバンペット副外相、およびメコン川委員会の関係者と会談する予定です。
両国では、クリテンブリンク次官補が、バイデン大統領が5月12〜13日にワシントンで開催する予定の米ASEAN特別首脳会議についても話し合う予定とのことです。
ここ20年、米国高官がカンボジアやラオスを訪れるのは初めてのことであり、今回の訪問は米国のアジア回帰とプレゼンス(関与)を明確にした訪問と受け止められている。一方で中国はこうした米国の動きを注意深く見守っているに違いない。ここ10年のカンボジア、ラオスの中国傾斜は一方でスリランカのような債務の罠に陥る懸念も取りざたされており、2国が米国のこうした積極的な関与の姿勢をどう受け止めるかが注目されている。
先の岸田首相のインド、カンボジア訪問で、名指しこそしなかったがロシアのウクライナ侵攻を念頭に「力による現状変更は認めない」という点で一致、連携する共同声明があったが、これは中国の南シナ海での振る舞いへの牽制であることはあきらかで、見方によって岸田首相の2国訪問は米国の国務次官補の訪問への地均しであったか、とも受け取られている。
掲載写真:クリテンブリンク国務次官補 画像:Khmer Times