米国への苛立ち?米国の若者向け情報リテラシー教育支援に対し

米国は、カンボジアの若者たちに「誤った情報の拡散を止める」方法を教えるために、気が遠くなるような演習に数千ドルを費やす>という長ーい題名の記事をKhmer Timesが報じる。これもまた、国内向けでカンボジア政府当局の苛立ちの反映であろう。

カンボジア政府がSNS上でフェイク情報として摘発しているなかで、表立って「フェイク情報拡散防止」には反対できない故であろう。

Khmer Timesは、「デイリー・コーラー・ニュース財団が調査した連邦補助金のリストによると、現職の米国政府は、カンボジアの若者にインターネット上での【誤った情報の拡散を止める】方法を教育するために、数千ドルの税金を費やす予定です。」

「リストによると、米国国務省は、カンボジアの米国大使館を通じて、トレーニングプログラムを【開発、編成、および監督】するために、米国またはカンボジアのグループに最大20,000ドルを提供し、さらに多くの賞を授与する可能性があります。このグループは、Facebook にアクセスできる農村部の若者と、都市部で教育を受けている 18 歳から 35 歳の若者を対象に、3 か月から 6 か月間、偽情報の【ワークショップ】を通じて教えていました。非倫理的なニュース サイト、有料ブロガー、正当なニュースを装った洗練された動画が、カンボジアの Facebook で肥沃な土地を見つけました」とリストには記載され。「このプロジェクトは、カンボジアの若者がオンラインで情報を共有する前に、【立ち止まり、熟考し、検証する】のに役立ちます。」とある。さらににわざわざ「しかし、共和党のサウスカロライナ州下院議員ラルフ・ノーマンは、「私たちの国は 30 兆ドルの負債を抱えている」と言って、この行為に反対しています。 Facebookで見た情報を精査する方法をカンボジアの人々におしえるんですか?」といった批判発言を付け加えて掲載している。

そして、「【誤情報】に対抗することは、国務省の優先事項であり続けており、DCNF は、アフリカ人にそれと戦う方法を教えるために最大 100,000 ドルを費やしていると報告しています。カンボジアの助成金は、2022 会計年度の公的外交資金から得られます。」と記事を結ぶ。

まさにKhmer Timesは嫌味たっぷりに米国はカンボジアに「無駄金を費やす」とばかりの記事である。

この報道記事だが、米国の情報リテラシー教育支援は対中国を念頭に中国のプロパガンダ政策に対する支援に関するものであるが、ある意味でカンボジアに当てはまる痛い所であるからであろう。

近年、プロパガンダという言葉が日本のメディアにも頻繁に見受けられるが、プロパガンダというドイツ語用語は元来、共産党系情報機関が使う政治的用語で、一般に「宣伝工作」と訳語される。要は、政治的な党派が大衆操作に自己に都合の良い情報を流し、状況を変えるため作業という政治用語で、そこには政治的な中立性や客観的な事実は考慮されない。

プロパガンダといえば、その悪用の天才:ナチスの宣伝相ゲッペルスが知られているように共産党とファシズムは全体主義の裏表というのは政治学では現在、ほぼ常識となっている。事実、カンボジアでは中国の宣伝工作の動画が盛んに作られていることは、NHKのスペシャル番組で昨年、放映されている。実際、習近平氏の「愛される中国」の提唱に沿って盛んに各国版プロパガンダ動画制作が行われている。

Khmer Timesのこうした嫌味たっぷりの米国批判は、よくて国内向けに過ぎず、同エディアの英語版が海外でまともにニュースになることなぞ、ほとんどないのが現状である。

掲載画像:Khmer Times

おすすめの記事