犯罪者の逮捕に容赦はない、二重国籍外国人に外国機関の許可は必要ない

クウ・リス法務大臣は、カンボジアにある大使館や領事館の許可を得ることなく、二重国籍を持つ犯罪容疑者を逮捕するよう当局に要請した。リス氏によると、これまでにも二重国籍を有する容疑者、特にカンボジアで犯罪を犯したカンボジア人に関するガイドラインを求める検察官や裁判官からの多くの要請があったという。同法務大臣によると、提起された問題は、当局が彼らの逮捕、起訴、拘禁に関して、カンボジアのそれぞれの大使館に報告するべきか、あるいは許可を求めるべきか、ということだった。

「この事件に関して、私はすべての当局、特に検察官と裁判官に法の原則を強調したいと思います。二重国籍を持つ容疑者がカンボジアに滞在している場合、その人物はカンボジア国民とみなされる」とリス氏は先週シェムリアップでの会合で述べた。

「したがって、警察、検察、裁判官は外交関係に関するウィーン条約に従い、大使館や領事館に報告したり許可を求めたりすることなく容疑者を逮捕する法的義務がある」と述べた。

「しかし、容疑者がカンボジア人ではなく、一つの国籍しか持っていない場合、管轄当局は逮捕、起訴、拘留について大使館または領事館に報告しなければならない」と同氏は述べた。

要は犯罪者をカンボジア国籍を持つ二重国籍者とカンボジア国籍を有しない外国人を逮捕する際の外国代表機関への届け出等の違いを説明したものだが、法務大臣の演説の趣旨は、カンボジア国籍を取得して国際犯罪(オンライン詐欺、麻薬取引、人身売買)に手を染めている外国人マフィアの幹部の逮捕を促すことにある。現に中国から国際手配(インターポール)されている人物がカンボジアの上院議員と一緒に写真に納まり、影響力を誇示する姿が外国TVで放映され、カンボジアの司法の威信が低下していることへの措置である。

実際、海外マフィアの国際犯罪の拠点がカンボジアにあるのは、こうした二重国籍制度の容易さ、甘さにもある。

掲載写真:Khmer Tiemes

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