燃料価格の高騰は人々の怒りと懸念を引き起す

今更の感があるが、政府系のKhmer Timesはようやく「ガソリン価格の高騰と諸物価値上がりの懸念」を報道した。いかにも政府系メディアというKhmer Timesの立ち位置を表している。既に諸外国では1か月前から大々敵に取り上げられている。政府の対応もそれに応じるかのとうな措置が取られている。ガソリン価格の高騰は既に1月からうなぎのぼりである。カンボジア庶民も、それが1かっ月以上になると騒ぎだす。今度はいつもと違うと。カンボジア政府も今月になってガソリン高騰についての懸念に触れているが、何等具体的な施策は取っていない。そこにロシアのウクライナ侵攻と欧米や日本も加わったロシアへの経済制裁でガソリン暴騰と諸物価高騰は避けられず、長期化するのは必定である。当然、世界経済も低迷する。これがロシア制裁の返り血で富裕層は何ともないが、ロシアも諸外国も庶民生活が打撃を受けるのは必定、そこに円安であるから在カンボジア日本人も給与生活者は大変である。

Khmer Timesは、「燃料費の高騰は人々に大きな打撃を与えており、多くの人がそれが商品、特に野菜、魚、肉の価格の上昇につながるかどうかを懸念している。人々はまた、それが彼らの生活、彼らの借金とローンの返済、そして彼らの生活水準に影響を与えるかどうかを心配している。」と記事の冒頭に述べているが、どこか他人事である。

諸物価の高騰が直接に庶民生活を直撃するのは、その国のセフティーネット次第でその打撃の大きさが違う。カンボジアのような途上国のほうが生活を圧迫する度合いが大きい。肝心のセフティーネットが未整備か、稀か弱いからである。また当然、本国から切り離されている在カンボジア外国人についても切り離され次第で打撃力が違う。

Khmer Timesはカンボジアの大衆の声を次のように取り上げている。

例1.ソクシニス、42歳、トゥクトゥクドライバー

私は15年間トゥクトゥクの運転手でしたが、燃料価格の高騰を本当に心配するのはこれが初めてです。それは非常に高いですが、私の顧客は彼らの旅行のために以前と同じ価格を請求される。たとえば、顧客を1 kmの距離に乗せた場合、3,000リエルが支払われますが、ガソリン価格が高くなっても、同じ料金が支払われます。さらに、ガソリンスタンドは私たちのタンクをいっぱいにしていません。これは別の問題ですが、政府や関係省庁に燃料価格の引き下げをお願いする

例2.マイクロファイナンス会社のクレジットオフィサー、Ry Bora、21歳

バイクにガソリンを入れるたびに、15,000から20,000リエルを費やします。使用法にもよりますが、2〜3日続く場合があります。部屋代や食費などの生活費も必要です。燃料価格の高騰で、どうやって管理するのかわかりません。なぜ価格が上がるのですか?私は非常に心配しており、政府がこれについて何かをするか、少なくとも価格が変動するのではなく安定していることを望んでいる。

例3.ココナッツの売り手、Prek Proeung Proeung、31歳

国道2号線に沿ってココナッツを販売しており、1日あたり約10ドルを稼いでいます。私はモバイルココナッツの売り手なので、ココナッツを売るために通りから通りへ行く必要があるので、燃料に1日2ドルを費やしています。燃料価格の上昇は、私の毎日および毎週の予算に影響を与えているため、私に打撃を与えています。他にも日課があります。この価格の上昇は、人々のビジネス、特に私のような人々に影響を与えています。私はココナッツの価格を上げていません。つまり、収入は同じであり、家族を養う必要があります。これが最終的に商品の価格に影響を与えるかどうかは非常に心配です。

 

例3.マオチェンダ、51歳、トゥクトゥクドライバー

私はタクマウ市でトゥクトゥクに乗っていますが、今は燃料の値段にショックを受けています。急上昇していて理由はわかりませんが、急上昇しています。私には、上司がガソリン価格を下げたいと思ったら、それは下がるだろうと思われます。上司がガソリン価格を上げたいのなら、それは上がるでしょう」。彼が言及している上司は誰かと尋ねたとき、彼はただ微笑んでフン・セン首相と言った私たちは上司に値下げをしてほしい。私は1日あたり15ドルを稼ぐことができますが、今では1日あたり約6ドルを費やしており、これが私の収入に影響を与えています。家族をどのようにサポートしますか?ガソリン価格は上がりますが、クライアントの料金は同じです。どうすればいいのか?

などなど。

今回のガソリン価格暴騰と諸物価の高騰、長期化は避けられない。そしてコロナ禍で疲弊した経済を抱えるカンボジア政府が打てる手も限られている。率直にいって富裕層でない限り、生活水準の低下は避けられない。

掲載写真:ガソリンスタンドでバイクという写真、カンボジアの実態を象徴している。

画像:Khmer Times

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