法務省はひき逃げ事件をなくすため、犯罪者の財産などの凍結を認める法案を検討している。
全国で死傷者を伴う交通事故が驚くほど多発していることを受け、同省は刑事訴訟法の改正を計画している。これは、飲酒運転とならぶ逃げ得を図る運転者にも厳罰化を進める動きである。
1月24日(水)、カンボジア王立司法アカデミーで行われた「法務省および法廷の報道官および情報担当者に対する報道官と世論の有効性」に関するセミナーの開会式で、クット・リス法務大臣は裁判官たちに次のように促した。検察官と司法当局者は、裁判の長期化により被害者の親族が不当な扱いを受けないよう、交通事故の迅速な手続きを推進する。そのため、
「刑事訴訟法を改正してもらいます。財産を一時的に没収する民事訴訟を起こすことだ。我々は待つことができません。もしそうすれば、被害者は二重のジレンマに苦しむことになる」と同氏は語った。
法務大臣:リス氏は、「車を運転して被害者をはねて死亡事故を引き起こし、死亡事故に対する責任を拒否する者に対して法律を厳しく執行しなければならない」と述べた。
さらに同氏は、「補償を求めることが優先であり、死亡事故を起こした人々を免罪することはできない」、「もし犯罪者たちが釈放されれば国民の不満が起こるだろう」と指摘した。要は今後、逃げ得は許さないために法の改正を示唆した。
同大臣は、死亡事故はドライバーの責任だが、被害者の親や子供たちは悲劇を経験し、裁判が長引く中、葬儀代を払えない家族もいると述べた。これは被害者を泣き寝入りの眼に合わせないよいう決意で逃亡運転手の逃げ得を許さないということを強調している。
こうした新首相フンマネ氏の就任以来の「悪は許さない」という強い決意は、さすがにカンボジア国内のメディアも事故後に逃亡する運転手をカンボジアの「伝統的」といった揶揄言葉が見られなくなった。
掲載写真:Khmer Times