日本人、100万㌦弱の土地取引詐欺でクメール女性と軍人等共犯者を告発

日本人実業家が、95万ドルの土地取引で騙し取られたとして、王立憲兵隊犯罪捜査鎮圧委員会刑事局に正式に告訴した、とKhmer Timesが6月7日付けで報じている。

*上掲写真:告訴状で名指しされた者たち:左からトン・ソク・ケン(女性)ペン・セリー・モニーシュー・ソンギウン・ソファル

報道によると、トン・ソク・ケン氏(女性)と高位の軍人を含む共犯容疑者たちは、コンポンスプー州トンポン地区の300ヘクタール以上の土地を95万ドル以上で売却したことに関連し、日本人実業家から不正行為と背任の疑いで告発された、とのことです。告発者は、トン・ソク・ケンに全額を渡したが、土地を受け取れなかったため、王立憲兵隊犯罪捜査・鎮圧委員会の刑事局に告訴状を提出したという。

同告発状よると、2012年12月25日、コンポンスプー州トンポン地区トロップ自治区のアンヒヤセス村とトラペアンクロン村の土地をトン・ソク・ケン(女性)及び高位の軍人ペン・セレモニー率いるその他数名より購入した。購入にあたって、村、同自治区、同地区当局よりそれぞれ承認を得て合計 328 ヘクタール総額 951,200 米ドルで購入したという。

日本人告発者の弁護士及び証人も、告発者が3枚の土地譲渡書に署名し、土地購入金の全額をトン・ソク・ケンさんに手渡したところを目撃している。

日本人実業家は地元記者団に対し、普段からカンボジアを訪れており、カンボジアへの愛情から、コンポンスプー州の農産業プロジェクトを含む多くの事業に投資することを決めたと語っている。

なお、この土地取引が告発に到ったのは、トン・ソク・ケンと軍人:ペン・セレモニー、日本語通訳のソ・ソンヒ、証人のウン・ソパールなどが日本人企業家(告発者)に土地を売却した後、今度は、同土地購入者の日本人企業家に2014年7月17日から2019年7月17日まで5年間の産業用サトウキビ農園を作るために売り払った土地を賃貸したいという話を持ち掛けた。

その後、日本人起業家は被告人に賃貸耕作させた、という。その後、サトウキビ栽培契約が終了した際、トン・ソク・ケンは日本人男性への土地の返還を拒否した。その際、このほど告発されたトン・ソク・ケンは日本人実業家に、その土地はすでに土地所有権を持っている人々のものだと言い逃れをし、返還拒否を続けている。同村の一部の村民によると、元の地主は2012年にすでに土地をトン・ソク・ケンさんに売却し、すべての書類をトン・ソク・ケンに引き渡したと述べている。2020年、ウン・ソファル氏はその場所の土地を売却するための書類を受け取り、一家族当たり20万リエルと引き換えに拇印を押したと述べている。

トン・ソク・ケンさんに売却した人々は、「土地譲渡の証人:ウン・ソファルが土地を他の当事者に売却することに同意するよう求めていたことを知らなかった」と述べている。

こうした経緯でトン・ソク・ケンとその後ろ盾の軍人や日本語通訳及び証人ら4人(いずれもカンボジア国籍)を土地譲渡の金額:95万ドル以上を支払った日本人起業家は、土地譲渡が拒絶されるに至って、組織的な土地不正取引・詐欺として告発に及んだという。

上記の報道を読むに、同事件は土地譲渡を装って外国人への計画的な詐欺事件の可能性がある。また告発者の弁護士によれば、こうした土地不正取引、所謂(いわゆる)詐欺取引は、告発者の日本人だけに限らず、他の日本人や中国人にも被害が及んでいる可能性があるという。

*先にカンボジア国内で大きく取り上げられたカンポットの有名不動産業者の投資詐欺事件や本サイトでは記事として掲載していないが、カンボジア国内では、毎年のように土地をめぐる巨額な不正取引詐欺事件が起こっている。

被疑者が有名人や高位の役人・事件であっても、土地取引をめぐる不正・詐欺事件はけして珍しいことではなく、被害者による証拠を揃えた告発によって罰せられている。

Businessman in court for $400,000 fraud

 

なお、掲載写真の4人を知っている、または騙された可能性があるという被害者の方は、下記の電話番号にご連絡ください。

告発者・弁護士の相談窓口 電話番号 : 099 911 191(日本語可)

掲載写真:告発で名指しされた土地不正取引・詐欺事件の被告たち 画像:Khmer Times掲載より

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