ベトナムの日本語メディアVIETJOは興味深いニュースを掲載している。地元メディアの記事をソースしたもののようだが、オーストラリアのシンクタンクであるローウィー研究所(Lowy Institute)はこのほど、世界98か国・地域の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応力ランキングを発表した。ベトナムの総合評価は90.8点で世界2位となった、という。
同ランキングは、◇感染者数、◇死者数、◇100万人あたりの感染者数、◇100万人あたりの死亡者数、◇1000人あたりの検査数、◇検査陽性率の6指標に基づき対象国・地域の対応力を100点満点で評価して順位付けしたもの、という。
1位はニュージランド、2位はベトナム、3位は台湾
日本は45位第3波でさらに低下か、ああ情けなや
ニュージランド、台湾は島国という利点と優れた政府のリーダーシップでコロナ禍を一早く抑えて国だが、島国でない大陸国家で海に面していながら、ベトナムのコロナ禍の抑制は驚異的である。下記にその順位付けのデターがあるが、2021年2月1日の最新データーと比べてみるとさらに興味深い。際立ったコロナ対策成功がベトナムであることが解る。大国意識丸出しの居直りと尊大な成果を喧伝する中国の発表結果は世界に疑心暗鬼で受け取られている。
因みに日本45位、トランプ元大統領の米国は94位。最下位はトランプ倣い大統領のいるブラジルの4.3点だった。なお、中国は検査に関する公開データが入手不可能のため、調査対象から除外された、という。ここに累計感染者数、累計死者数、総人口、人口密度を加えてみると、偶然性は著しく減り、政策能力や社会的な医療状況が解ってくる。4つのデーターは、いずれもWen・NHKニュースの特設サイト「新型コロナウイルス」からである。
累計感染者 累計死者数 総人口 人口密度(人/㎢) 2021年2月1日
1位:ニュージーランド(94.4点) 2,304 25 5005,882 18.2 2020年
2 位:ベトナム(90.8点) 1,817 35 96,208,984 290 2019年
3位:台湾(86.4点) 911 8 23,590,744 650 2019年
4位:タイ(84.2点) 19,618 77 68,633,514 132.1 2016年
5位:キプロス(83.3点) 30,876 199 1,237,088 134 2018年
6位:ルワンダ(80.8点) 15304 196 10,901,861 不明 2018年
7位:アイスランド(80.1点) 6002 29 354,620 3 2018年
8位:オーストラリア(77.9点) 28,818 909 25,681,000 3.3 2020年
9位:ラトビア(77.5点) 66,241 1,195 20,14,000 36 2018年
10位:スリランカ(76.8点) 64,157 316 2,167,000 323 2018年
45位:日本 391,763 5,833 125,810,000 334.5 2020年
統計とは比較して初めて意味を持つことがわかる。ちなみに1位から10位と日本で島国でない大陸国家は上記の表の太字の5か国、総人口1億に迫るベトナムの凄さと人口密度の高い台湾の成功例が解る。また4位のタイだが、現在昨年12月半ばから感染者の急増で死者も増えている。当然、上記の表の順位にも異動が生じる可能性がある。
昨年6月、首相自ら世界に誇る(新型コロナ対策)「日本モデル」と言っていたがー国民には不評ー今や笑止、第3波の真っ最中で1日当たり新規感染1792人、死者88人(2月1日)を出している。「ああ情けなや」と思うのは、筆者だけであろうか。ちなみにカンボジアは466人、死者0である。