教育格差が浮き彫りに パイリン州 高校修了者 小学校入学者の1割ほど

2月23日発表された報告によると、パイリン州では、初等教育に入学する全生徒のわずか 10% しか高校教育を修了していない。

パイリン州の 5 年間 (2018 年から 2022 年) の教育進捗状況に関するレポートによると、2018 年から 2022 年の5年間でバカロレア(高校卒業試験)を受験した生徒はわずか 2,406 人であった。

*バカロレア:フランス式の教育省が管理する、高等学校教育の修了を認証する国家試験である。カンボジアは植民地時代にフランス式の教育制度が導入されていた。要はフランス人の監督下で働く官吏養成所としてつくられた教育制度であり、独立後もそれを継承していた。例えば中高一貫教育(リセ)の名残りが、小学校の敷地に中学校が併設されている姿である。1998年、国連の「万人に教育を」という要請を受けて初等教育重視の6.3.3.4制の学校制度に改変しているが、試験制度などにフランス式の教育制度が色濃く残っている。バカロレアという中学校、高等学校卒業試験=上級学校入学試験がその例である。

5年間の小学校入学者数は1万8334人で、中退率は下位クラスから上位クラスになるほど大きく増加しているという。

しかし、この報告書は、中等学校に入学した 5,485 人の生徒のうち、約 40% の生徒が州の高校の試験(中学卒業試験)を受けていたことも示している。

23日、プノンペンで行われた記者会見で、パイリン教育・青少年・スポーツ省・局長:トーン・テアラ氏は、「自宅が学校から非常に遠いため、生徒の11.04%が高校を中退した」と述べた。

ほとんどの生徒は、高校に入学した後、特に 9 年生(中学3年生)で、貧困や結婚のために教育をやめている」と同氏は説明している。しかし、「受験した 2,406 人の学生の 72.23% が同じ期間に バカロレア2試験(高校卒業試験)に合格した」と付け加えている。

パイリン州知事:バン・スレイモム氏は23日、当局は学校への通学の問題を解決するために古い学校の建物と道路を改修していると語っている。同報告書によると、州には 3 つの高校と 6 つの中学校があり、生徒数は 5,485 人、小学校は 53 校で生徒数は 10,231 人、私立小学校は 9 校で生徒数は 1,404 人、幼稚園は 27 校で幼児数は 1,214 人、地域幼稚園は 12 校で生徒数は 335 人、私立幼稚園は 11 校で 641 人の幼児がいるという。

パイリン州の例は、カンボジアの州別の教育格差、都市部と農村部の教育格差の問題が、パイリン州という最西部の州で典型な姿となって表れていることを物語っている。

掲載写真:パオリン州知事:パンスレイモム Khmer Times掲載

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