教員による「学童への虐待」ー特に小学生へーが表面化

まるで日本や先進諸国の悪い所だけは急速に追っているかのような印象がある。次々と表面化する問題ー例えば青少年非行、荒れる学校、幼児虐待などー、今度はカンボジアの初等教育で教員による学童への様々な虐待が表面化した。青少年の非行、対教師暴力や非行生徒による校内虐め、保護者の幼児虐待、そして今度は教員による学童虐待である。

10数年前、ゴミが散乱する或る学校の校庭で「日本は虐めで大変ですね。カンボジアの学校には虐めはありません」と嘯いていたカンボジア教員が多かったが、筆者はその当時から授業を見ると「荒れた教室」のような光景に、ただ社会問題として表面化していないだけではないか、と思っていた。

現在、もはや「カンボジアには虐めはありません」とは誰も言えないであろう学童は教員に、心優しい子は悪ガキたちの虐めの標的となっている。

「学校の教員の学童への様々な虐待」が表面化、ここに「社会問題」となった

全国の学校は、教師が生徒、特に小学生を虐待することへの懸念が表面化した後、性的、肉体的、精神的虐待を含む暴力から生徒を保護するための取り組みを強化している。こうした教員の子どもへの虐待が公に報道されたのは、カンボジア初のことである。

このため、政府教育省は6月末に全国の学校に児童保護の取扱説明書を厳守するよう学校経営者に指示し、配布した。

同省の初等教育局長:Chan Sopheaは、「小学校は、教師や学校職員の手による身体的、性的、感情的な虐待を含むあらゆる種類の暴力から子供を守るために特別な努力と注意を払うように言われている」。「Covid-19のパンデミックにより、学校は数年間閉鎖された後、授業を再開しました。私たちは、受け入れ側に小さな子供がいる学校での暴力やその他の形態の虐待を懸念している。」「私たちは彼らの安全を心配しています。いくつかの報告を受けましたが、深刻ではありません。指を使って子供の頭を押すような些細なことかもしれませんが、それでも止めなければなりません。」、「私たちは子供たちにトラウマを負わせたくないので、そのような暴力をやめさせるためにそのような努力を増やさなければなりません。」、そして「教師が生徒の権利を侵害したり、生徒の安全と福祉を危険にさらしたりすることは望んでいません」と述べている。

このごく当たり前な指摘の羅列のようにも聞こえるが、こうした学童の保護のためにごく当たり前なことが守られず、教員側の恣意的な暴力が増えていることが表面化してきたからであろう。

カンボジアの学校では「教員は、生徒の髪を殴る、殴る、蹴る、押す、殴る、ねじる、つかむなどの身体的暴力を生徒に使用することを禁じられている」、また「子供たちを太陽の下に立たせたり、旗竿の周りを走らせたりすることも許可されておらず、教師は懲戒処分として生徒に他の生徒を殴るように頼むこともできない」とも同氏は説明している。

文部省・報道官:Ros Soveachaは、「教師は生徒に学習への刺激を与え、ケアと愛情を示さなければならない」、「子供たちは学校の教師を尊敬しますが、彼らに与えられたケアが身体的または精神的虐待である場合、彼らは背を向け、彼らの行動は変わる可能性があります。」と述べ、同省は、学校の生徒の保護について、全国の教育関係者と絶えず調整し、監視しているという。

「セーブ・ザ・チルドレン・カンボジア」(NGO)の児童保護および子どもの権利ガバナンスプログラムマネージャー:マンファリー氏は、2013年の児童虐待に関する調査によると、体罰やその他の形態の虐待が生徒の教師によって頻繁に使用されており、一部の子どもはかなりのレベルの暴力を受けている、と語っている。

この問題、教育省は一応のマニュアルを配布したようだが、それで教員側の恣意的な学童への虐待を防ぐことは難しいのは、先進諸国の共通の悩みである。多くの国は法的措置や酷い暴力事例の摘発、罰則化に至っている。

掲載画像:イメージ Khmer Timesより

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