このほど麻薬撲滅キャンペーンの式典で大量の麻薬を燃やすことが行われたが、この種のこれ見よがし式典は、それほどに国内に麻薬が蔓延している証である。
先に麻薬密輸が急増していると話題になったミャンマーでも国際的な悪評を打ち消そうと軍事政権が麻薬を燃やす動画を公開したが、ミャンマーとカンボジアは今や、麻薬やそれ以外でも似ているところがある国で、また「中国」が東南アジア進出の足掛かりにしようという国でもある。
そしてこの記事、Khmer Timesはカンボジア国内の内容にも関わらず、中国・新華社電をコピぺしたものである。ちょっとコピペは恥ずかしいが、カンボジアからすれば麻薬犯罪の策源地は中国のマフィアの跋扈という認識があるからだろう。
麻薬取締警察局(ADP)の7月1日(日)の報告書によると、カンボジア当局は2023年上半期に3,764件の事件で外国人167人を含む麻薬関連容疑者9,034人を逮捕したという。その報告書によると、容疑者の約52%は麻薬密売人、製造業者、所持者、運送業者で、48%が麻薬使用者だった。
報告書はまた、「2023年1月から6月にかけて、合計993kgの違法薬物、9kgの乾燥マリファナ、および17,950本のマリファナ植物が容疑者から押収された」と述べ、医薬品製造に使用された約326kgの化学物質も同様に押収されたという。
当局はまた、手製ライフル12丁、ピストル26丁、自動車99台、バイク1,025台、電話3,195台、体重計229台、および一部の現金を押収したと発表した。押収された薬物には、ヘロイン、エクスタシー、コカイン、結晶メタンフェタミン、メタンフェタミン錠剤、コチニン、ケタミンなどが含まれていた。
カンボジアのフン・セン首相は先週初め、「違法薬物が東南アジアの国の安全、治安、発展に脅威を与え続けている」と述べている。
「犯罪者は依然として陸、海、郵便、空路で国境を越えて麻薬を積極的に密輸し続けており、一部はカンボジア内で流通させたり他国に密売するために違法麻薬を製造した」と述べている。要は、今やカンボジアは、東南アジアの麻薬ルートのパブとして役割を持っているということであろう。
掲載写真:麻薬撲滅式典での押収麻薬の焼却