26日に発表された国勢調査2019によると、カンボジアの平均寿命は推定75歳に増加した、という。
ここで断っておきたいことは、カンボジアにおいて統計とは概数であること、国勢調査のような大掛かりな調査でない各省統計なぞ概数というよりは水増し数値であることが過去多くあったことである。例えば識字率など、日本の調査とカンボジアのものでは大きく異なる。何をもって識字とするか、小学校の何年生の到達度学力を識字とするか、という点になると大きく異なる。カンボジアの場合、自己申告と名前が書ける程度で識字率に入ってしまうという具合に。
世界保健機関(WHO)の統計では、2018年の平均寿命は男性で67.3歳、女性で71.2歳、平均69.4歳と推定されている、というように概数であり、推計に過ぎない。日本の中学校の社会科地図帳の巻末にある世界の国々の統計表も先進国はともあれ、登場国となると概数か多くは信用できる数値とは言い難い。
保健大臣マン・ブン・ヘン Mam Bun Heng氏は、「保健省の報告書の中で、男性の平均余命は74.3歳に、女性は76。8年に伸びている」と述べた。これは乳児死亡率の低下に関連している。この全国あたりの報告書では、、乳児死亡率は2008年の国勢調査の26人から2019年の国勢調査の1,000人の出生あたり18人に減少し、5歳未満児の死亡率は2008年の国勢調査の44人の赤ちゃんから28人に減少している。地元メディアが忖度記事とは違い数値を見る限り依然高い数値である。つまり乳児死亡率18/1000人 、5歳児未満28/1000人となる。これ等の数字は隣国、タイ・ベトナム・ラオスと比べて意味を持つ。確かに「2019年の国勢調査で10年間に1,000あたりの乳児死亡率、5歳児未満の死亡率は減少、さらに妊産婦死亡率は大きく低下しました」と保健大臣は述べているが、あくまで国内比較で10年という単位で見るにこれを大きいと見るかどうかは評価が分かれるところである。
約20年前のカンボジアでは、55歳以上の女性は見かけてもカンボジア人男性を見る機会がすくなかった。そして街や村、どこでも集落があれば子どもをわんさか見かけた。ポルポト時代の殺戮とその後の人口増である。日本の戦後10年を比べればよく解る。今でも生存人口で一番多い数は、昭和24年(1949年)前後である。
保健省チャイ・タン Chhay Than計画大臣は、「人口増加率は州ごとに異なり、全国的な増加率は1.4%であると述べました。彼は、今日、カンボジアの若い夫婦は家族計画の普及が見られ、平均して2、3人の子供がいる」と付け加えました。プノンペンに需要に見合わないサービースアパートメントの建設が数多く見られるが、初め多くは投資目的の物件であったが、富裕層の子弟の結婚が増加する(当然、彼等の多くは核家族を目指す)とやがてそうした人たちが部屋を購入するだろう。だが、未だ供給過剰で需給が釣り合うのにはまだまだ先である。
*掲載写真 マン・ブン・ヘン保健大臣の記者会見 画像:Khmer Timesより