岸田首相、ASEAN+5国の東アジア首脳会議で、中国を名指しで批判

カンボジアのASEAN+首脳会議に出席した日本の岸田首相、カンボジア政府広報のKhmer Timesでは、岸田首相とバイデン首相の会談で「北朝鮮問題」が岸田首相から持ち出された、と伝えるのみで日本で報道されているような内容は全く取り上げていない。

他のカンボジア国内群小メディアもさらに話題とならない。それ故、一般のカンボジア人にとっては世界のお偉いさんが来ているようだが、それぞれの会談内容や採択事項については、国内報道で一部触れられてはいるが、ほとんどその内容も理解されていない、というのが現実の姿である。

主要道路に多くの軍・警察が配置されているが、普段の昼は警官が配置されている都心部のモニヴォン通りさえ、警官が配置されていない信号機では早速、日常的なバイク宅急便やトゥクトゥクなどここぞとばかりに信号無視を繰り返している。権力にひたすら弱く、権力の眼がなければ、遵法意識なんて、なんのその人々の姿は、カンボジアの威信を賭けたASEAN+首脳会談なんて関係ないかのようである。

一方、日本の報道は時事通信電を通じて、岸田首相が中国を名指し批判、北朝鮮問題を大きく取り上げている。報道の概略が下記のようなもでのである。

カンボジア訪問中の岸田首相は13日、東南アジア諸国連合(ASEAN)に日・中・韓や米国、ロシアなどを加えた東アジア首脳会議(EAS)に出席した。そこで岸田首相は「東シナ海では中国による日本の主権を侵害する活動が継続・強化されている」と非難し、名指しで中国を批判した海外の首脳会談で日本が中国の名を挙げて、非難することは極めて異例なのことで、岸田首相としては強硬な態度を中国に向けて示したことになる。 

さらに具体的に、「沖縄県・尖閣諸島周辺海域では中国船が領海侵入を繰り返している。首相は「南シナ海でも、軍事化や威圧的な活動など、地域の緊張を高める行為が依然続いている」と指摘し、「中国軍は、ナンシー・ペロシ米下院議長が8月に台湾を訪問したことに反発し、同月、弾道ミサイルを日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾させた。」ことにも言及し、「台湾海峡の平和と安定も、地域の安全保障に直結する重要な問題だ」と述べた。

また北朝鮮問題では、「全ての大量破壊兵器と弾道ミサイルの『完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄』の実現」に向けて、国際社会に連携を呼びかけた。ロシアによるウクライナ侵略については、「力による一方的な現状変更の試みは、世界中のどこであっても決して認められない」と非難。「ロシアの核兵器による威嚇は断じて受け入れられない。仮に今回使用されることがあれば、人類に対する敵対行為だ」と訴えた。

日本では、日本の意志を相手国に伝えることは普通であるが、海外のASEAN首脳会談のような場で、日本の立場は明確に中国、ロシア、北朝鮮に伝わったことは確かであり、ある種の日本の覚悟が他の参加国に伝わったことは確かな事である。確かに「外交の岸田」と言われる所以であり、相手を見て言葉を変えることはなく、ある意味で愚直さえある姿勢に終始している

掲載写真:東アジア首脳会議での岸田首相 画像:読売、時事通信より

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