地元メディア「政府は汚職報告に肩をすくめる」と報道 クリーン度160位

Khmer Timesは「カンボジアは腐敗認識指数で改善」の見出し

毎年のように各国政府の汚職度ランクが発表されるが、カンボジア地元メディアは「政府は汚職報告を肩をすくめる」(Phnom Penh Post)という見出しを付けるかと思うと「カンボジアは腐敗認識指数で改善」(Khmer Times)という見方によって正反対の見出しを付けるがこの国の腐敗の酷さはカンボジア人や在住外国人がつとに認識していることで、どちらの見出しが実態を反映しているかは、誰でも解る。

確かにKhmer Timesの記事内容は、政府広報と大して変わらない。その意味で政府の動向がよく解る。P.P.Postの「肩をすくめる」(英語翻訳)とはこの国のメディアが置かれている立場からすれば、絶妙の見出しである。

このほどトランスペアレンシーインターナショナル(TI)は、カンボジアをASEAN地域で最も低いスコアであるとランク付けし、言うならば汚職度で最も高いレベルに対応している。早速、政府当局者は、国の現実を反映していないとしてTIの調査格付けを拒否した。まさに国の体面に関わるとばかりに。

1月28日、ドイツのベルリンにあるTI事務局は、2020年の腐敗認識指数(CPI)の結果を発表しました。カンボジアは100点満点中21点を獲得しました。これは、2019年に比べて1ポイント改善し、180の国と地域の中で160位にランクされています。これはポイントが1改善されただけで、順位が改善された訳ではない。ちなみに日本は10位台でけして褒められたものじゃない。

地域の観点から見ると、カンボジアは引き続きアジア太平洋地域で3番目に低い位置を占めており、アフガニスタンと北朝鮮のみを上回り、ASEAN地域で最も低い位置にあります。他のASEAN諸国によって得られた結果はまちまちです」とTIは言う。この地域のいくつかの国では、スコアが前年から低下しました。ミャンマー(29から28に低下)、ベトナム(37から36)、マレーシア(53から51)、インドネシア(40から37)です。タイ、ラオス、ブルネイ、フィリピンはスコアを維持しました。さらにTIは、「カンボジアの結果は、民間部門の汚職の削減、資源動員の最適化による財政管理の改革、電子政府の育成、公共サービスの改善など、特にCovid-に対応して、国が成し遂げた進歩を反映している」と述べたが、「特に政治的および大規模な腐敗に取り組み、法の支配を強化しようとする主要な構造的および体系的改革がほとんど成果を上げていないと見なされる場合、改善は専門家および経営幹部の全体的な認識を変えなかった」と厳しい評価を付け加え、進歩はなかった、と断言している。

政府の反論「腐敗が酷ければ投資は増えないが、事実は増えている」

一方、カンボジア政府報道官:プァイ・シホン Phay Siphan氏は、1月28日に「カンボジアはTIのランキングに関心がない。それは、王国を正確に描写しておらず、国への投資にも影響を与えなかったためである。」と述べている。要は政府の腐敗が大規模であれば、海外からの投資がないがここ数年投資が増えている、というのがカンボジア側の反論の意味である。

*掲載写真:「プノンペン・ダウンペン地区にある腐敗防止ユニット(ACU)本部。

画像:Phnom Penh Postより。

 

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