タイとの3つの主要な国境検問所(オスマック、ドゥン、ポイペト)のいずれかを経由して入国した後、14日間の検疫から逃れようとする出稼ぎ労働者は、法廷で起訴され、最高50ドルから250ドルの罰金が課せられることになった。
24日(昨日)保健省は、「国境を越えて逃げようとし、強制検疫を受けたくない人々に対する抑止力として機能させる」ために、指令を出した。一省庁が、起訴や罰金を課す指令を出せるのかどうか、となると如何にも全て議員が一党に占められている国であること考慮に入れておかねばならない。そしてまた、カンボジア人の一般の遵法意識の低さ、警察への不信感の強さは相当なものである。日本に行ったカンボジア人の多くが、街中に警官が少ないの驚く。逆に首都プノンペンなぞ、警官の立哨だらけの印象がある。住民が泥棒やひき逃げ犯を捕まえれば、警官がくるまで私刑(リンチ)が常態である。2019年、シェムリアップで起った日本人青年2名の強盗殺人など住民が掴まえ、警察官に渡された。もちろん殴る蹴るの私刑(リンチ)の後にである。
カンボジア人一般の遵法意識の低さに罰則強化が比例する
カンボジア人の遵法遺跡の低さ、何事にもいい加減さ、見える所は聞かざるが、見えない所はゴミだらけという一般であり、お金持ちの家でもきれいなのは、「恒産あって恒心あり」なんていう高尚なものではなく、嫌な片づけ仕事、手間がかかる、汚いなんてなると、お手伝いさんを雇えばいいというの一般感覚、主婦すらお金に余裕があれば夜遊び、子どものしつけも雇い人まかせというところもある。一方、毎夜やってくる清掃車だが、きつくて汚い仕事だからつい労いたくなるが、深夜とあってかその仕事ぶりが酷い、清掃車にゴミ袋を投げ込むのはいいが、清掃車が去った後、ゴミが置かれたところは、ゴミが散乱である。上も下も見えない所では、手を抜くのがごくごく一般的である。だから、見つからなきゃいい、ということが横行している。泥棒の多さもそうだが、国境だってそうである。大きな交通事故がおこり、死者でもでれば、先ずは運転手が逃亡する。バスといった公共性のあるものでさえ、死傷者を追いてきぼりに運転手が真っ先に逃亡する例が後を絶たない。そして事故規模が大きいほど、さっさと国境を越えてしまうのだ。
だから、交通法規違反も今度の防疫のための国境検疫も当局の眼が逃れられると思ったら違反者が続出する。罰則強化で脅す、これしか効果ないか、のようだ。
保健大臣:Mam Bun Heng氏は「私たちは、逃亡者が感染した場合に、新型コロナウイルス(COVID-19)を住民に広めることを望んでいない。指令を無視する人々に対して厳しい行動を取る必要がある」と述べている。だから、民主的な手続きとは言い難い罰則強化も自分に直接関係なければ、多くが当然と思っている。まして世界で繰り広げられる悲惨なコロナ禍である。いいお金になると出稼ぎに出て行くものに同情なんて少ない。それでもお金になるなら出ていく。これはもう良い悪いの話の次元ではない。
検疫逃れ 罰金は一気に5倍に
同保健省は、「国境を警戒し、越境する全ての人が新型コロナウイルス(COVID-19)について隔離され、検査されていることを確認するように、国境にいる保健当局と関連当局に」呼びかけた。
「隔離されたすべての人がそれぞれのセンターに留まり、誰も逃げないようにする必要があります」とも述べている。ちなみに今回の保健省の指令は、刑法第129条に従い、50ドルから250ドルの一時的な罰金を課せられる。一時的とはいえ5倍の罰金額である。
20日(日曜日)の当局発表以来、これまでに1,042人以上の移民労働者が3つの国境検問所を経由してカンボジアに入り、隔離されている。