カンボジアの政府広報を一手に引き受けている感のあるKhmer Timesがまたまた驚きのあり得ない奇妙な記事を掲載した!
見出しは「日本、カンボジアは南シナ海での中国の海事活動に協力することに合意する Japan, Cambodia agree to work together on China’s maritime activities in South China Sea」(3月22日付け)というもの。日本語見出しの間違いがないように英文も掲載したおきます。
記事内容が事実なら、日本にとっては一大外交問題で岸田首相は終わりを迎え、米国はあり得ない!と驚き、日本はの信用失墜!、さらにベトナム、フィリピンから厳重な抗議が出されるだろう。見出しも奇妙だが、記事全文も奇妙なもので、そのの8割近くがNHKワールドは報じたという語句で「引用」という記事内容である。こりゃ、先ずはファクトチェック!しなけりゃいけない。Khmer Timesの同記事がフェイクか捏造か、もしくはWebサイト乗っ取りの嘘記事なのか。
先ず見出し「日本、カンボジアは南シナ海での中国の海事活動にに協力することに合意する」。
あたかも「領有権で争い、実効支配で既成事実化する中国の動きに懸念をベトナム、フィリピン、インドネシアなど、ASEANでも何度も取り上げられた中国の力で現状変更を迫る動きへ懸念表明はカンボジアの反対で頓挫」しているが、ここに来てKhmer Timesの見出し「見出し「日本、カンボジアは南シナ海での中国の海事活動にに協力することに合意する」と日本が中国の海事活動に協力するなんていう話はあり得ないことである。先ず見出しが誤解を招く、またはフェイクか捏造か、カンボジア政府の意向を受けたKhmer Timesの忖度過剰の苦肉の策? 策と言うなら、余りにお粗末でカンボジアのメディアだから他国が相手にするのもアホらいし、黙殺しているのか、未だこの記事に対する各国の反応がない。
また「NHKワールドが報じた」というが、寡聞にしてそんな報道を見たことも聞いたこともない!
先ずは、在カンボジア日本大使館facebookに掲載された「岸田総理大臣のカンボジア国民宛メッセージ」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sea1/kh/page3_003248.html
NHKニュースと言えば、日本語で報じられているのは、
*NHKニュース(「岸田首相 インドとカンボジア訪問終え帰国の途に」 2022年3月21日報道)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220321/k10013543381000.html
NHKニュースでは次のように報道しています。
「岸田総理大臣は、19日から3日間の日程でインドとカンボジアを訪れ、モディ首相、フン・セン首相との首脳会談を行いました。
一連の会談では、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ情勢をめぐって意見が交わされ、いかなる地域でも力による一方的な現状変更は許してはならないという認識で一致し、国際秩序を守るため、連携していくことを確認しました。そして会談後に共同声明を発表し、モディ首相との声明では、ウクライナでの紛争と人道的危機に深刻な懸念を表明し、戦闘行為の即時停止を要求することなどを盛り込みました。また、フン・セン首相との声明でも、武力行使の即時停止と軍隊の撤退を要求することなどを明記しましたが、いずれの声明も、ロシアを直接的には非難しませんでした。」(NHK記事)
*動画:ANNニュース「岸田総理 カンボジア訪問 中国念頭に安保連携確認(2022年3月21日)」
さてKhmer Timesですが、冒頭の写真(フンセン首相と岸田首相)を掲載し、参考のためにKhmer Timesの問題の記事(英語翻訳 本サイト)がそのまま掲載しておきます。
「日本の岸田文雄首相は日曜日にプノンペンでカンボジアのフンセン首相と会談し、南シナ海と北朝鮮問題における中国の海事活動に協力することに合意した。岸田文雄はまた、ミャンマー情勢の行き詰まりを打開するためのカンボジアの積極的な努力に敬意を表したとNHKワールドは報じた。」
「岸田文雄は共同記者会見で、プノンペンへの訪問は平和の尊さを思い起こさせると述べた。彼は、壊滅的な内戦の後に彼らの国を再建したカンボジアの人々の不屈の精神を大いに尊重すると言いました。
日本とカンボジアの指導者たちはまた、ロシアのウクライナ侵攻について意見を交換し、国際秩序を守るために協力することに合意したとNHKワールドは報じた。」
彼ら(フンセン首相と岸田首相)は、ロシア・ウクライナ戦争に言及して、世界のどこでも力ずくで現状を変える試みを受け入れないことに同意した。
両首脳は、国際会議や東南アジア諸国連合(今年カンボジアが議長を務める)の会合を含むその他の機会において、両国間の緊密な協力を確認した。
岸田文雄氏は、日本は特別首脳会談を開催し、フン・センを含むASEAN首脳を招待する予定であると述べ、来年、両国は外交関係の70周年を迎えると述べたとNHKワールドは報じた。」
「フン・セン氏は、ウクライナの危機については、外交による武力行使と平和的対話の即時停止を求めていると述べた。同氏は、カンボジアは日本の経済支援とインフラ開発に感謝と感謝の意を表明すると述べた。フン・セン氏は、自国は安全保障やその他の分野で日本と協力し続けるつもりであると付け加えた、とNHKワールドは報じた。」
以上です。
ほぼ、記事の8割以上が「NHKワールドが報じた」というある意味で責任逃れの記事、意図的な虚偽を混ぜた記事である。特にKhmer Timesの記事でNHKワールドから引用した「日本の岸田文雄首相は日曜日にプノンペンでカンボジアのフンセン首相と会談し、南シナ海と北朝鮮問題における中国の海事活動に協力することに合意した。」というのは、あり得ない内容であり、誤解を与える記事である。同紙の記者の誤訳による取違か、まったく政府への親中姿勢への過度の忖度で荒唐無稽な記事内容になっている。
「中国の海事活動に懸念で一致した」という記事なら、岸田首相の主張通りになるが、事実は「中国以外の各国が懸念を表明している中国の海事活動の問題解決に日本とカンボジアが協力する」というのが一致であろう。例え同床異夢であろうと「協力一致」なら。
下の記事は時事通信からである。
時事通信、共同通信は各国や国内の地方新聞向けに記事配信する通信社で、上の記事は岸田首相の外遊前に外遊の意味をまとめた記事です。
掲載写真:冒頭写真は、Khmer Timesは捏造に近い記事に信憑性を持たせるために掲載したもの。