サーケン内務大臣は、封鎖措置を実施する際に人々に暴力や虐待的な言葉を使用しないように関係当局と法執行官に注意を促したという報道が今朝流れた。
実に当然の措置である。都知事がHot Daruma(厳しい教育)で「親が子どもに叱る」教育を唱え、警察官に勧めるや異様な光景となった。朝から警察車両が都心部まで来て、大音響でがなり立てる、まさに「おい、こら」警察の復活かのようであった。さらに地元メディアも悪乗りして見回りの警官隊に同行してここぞとばかりに鞭打ち姿を2日間競って放映した。
不思議なことに同内務大臣の話の趣旨は昨晩には噂とながれていた。「首相が鞭打ちは行き過ぎ、止めさせる」と。真偽のほどは明らかでない噂は速い。サーケン内務大臣の注意は、予想されていたのか地元メディアの昨晩まで競うようfacebook放映された動画は、今朝になると次々見えなくなった。
同内務大臣は、指定されたレッドゾーンでの措置に違反する者を笞罪に訴える一部の執行官の報告に応えたものというが、目的以上に手段が行き過ぎていたことを知ったのであろう。事実、行き過ぎの様子は警官隊同行の地元メディアの映像にしっかり映っている。
既に同大臣は、21日夜の手紙で関係当局に、「すべての関係当局と法執行機関は、規律ある威厳のある行動を守り、職業倫理の原則を尊重し、忍耐強く職務を遂行し続けるべきである」と述べていた、という。さらに「軍と警察は、すべての政府の規制または措置を実施する際に、問題を解決するために暴力の使用を避けなければならない」と付け加えている。ならば、地元メディアが盛んに使ったHot Darumaとか、子どもに対する教育といった愚民観は何だったか。違反者への警告、罰則を批判するものは少ないが、鞭で住民を追い回す姿は「警告」を超えたと思った者が多かっただろう。
同大臣はまた、「市民に政府の措置の実施に参加すること、そして社会のすべての活動が近い将来、正常に戻ります。」
「私たちは、当局とすべての法執行機関が現在の状況で直面している困難、影響、および課題を明確に理解しています。しかし、私は当局に対し、COVID-19との戦いを成功させるという重要な使命を果たすためにすべてのサークルの支持と参加を得るために、維持し、忍耐し続けることを強く求めます」と述べている。
プノンペン警察報道官、行き過ぎは認めてないが、鞭打ち「必要ない」と語る
プノンペン市警察報道官:サンソクセイハ大佐は昨日、Khmer Timesに「杖の使用は夜間外出禁止令と封鎖に従うように少数の住民を脅迫する方法にすぎない」と語ったというが、昨晩までそうした記事は同紙にない。逆にPhnom Penh Postは、昨晩「鞭打ちをめぐって対立する当局者」という見出しの記事をそのサイトに掲載し、「警察が封鎖命令に違反した人々を鞭打ちする様子を示す最近のビデオクリップと、棒の束を持っている彼らの写真がソーシャルメディアで広く共有されています。」と書き、「大臣、知事、当局、一般市民は、警察が封鎖違反者を棒で殴打すべきかどうかについて対立しているようだ。」と、鞭打ちに対する当局の意見の相違が表面化していたことを物がったている。事実、常識の勝ちである。
SNSの動画では、プノンペン市警察報道官の述べることは違うシーンが何度もあった。鞭打ちや鞭打つ脅しはレッドゾーンの区域外でも行われていた。また、あわてて自宅に自宅前から入り入口を占める住民に腹いせに警官が物に当たる姿や同じ人物が背を向けて戻る背後を何度も打つ姿も映っている。「レッドゾーン少数住民」だけでなくリバーサイドで背を見せ戻ろうする一人の若い娘さんに鞭を振るおうと脅す姿や初老の男性と児童をウナロム寺院まえの広場から追い立てる姿も見られた。少なくとも言葉本来の意味での「教育」とはかけ離れたシーンであった。警察が政府の法の執行で「元将軍の悪」を見逃さないのは一罰百戒だが、上記のようなシーンは一事万事と思われても仕方がない。
同警察報道官は、「地方自治体は暴力や身体的脅迫を使用する意図はなく、すべての住民が家を出ないことでレッドゾーンに協力していれば、彼らを杖で殴る必要はなかっただろう」とのべている。「国家警察の指示に従って、私たちは常にすべてのレベルの当局に、人々に穏やかな方法と言葉を使用し、暴力を使用しないことによって夜間外出禁止令と封鎖指令を施行するように指示します」「最近、プノンペンの一部のレッドゾーンでは、人々が[封鎖]措置を講じているように見えるため、鞭や杖などの措置を継続して使用するべきではないことがわかりました」とも語っているが、facebookの数々の動画見た後で彼の言葉をそのまま受け取る人は少なかろう。今朝の動画でも人は長い棒をもったら振りたかろうといった無意識に棒を小刻みに振るわす女性警官の姿がニュースに映っていた。
サーケン大臣の指示は法の支配の原則に立ち戻るもの
サーケン内務大臣の指示は、法の支配の原則に則り、実に常識的な指示である。早速、今朝は警察車両のスピーカーの声は大音量であっても命令長の怒鳴りつけではなかった、子どもすら解ったようだ。コロナ対策は正常の日常生活に戻るために措置、そのためには目的だけでなく手段も正常であってほしい。