国境警備隊は、1人の女性を含む19人の労働者が、雇用を求めてタイに渡ろうとしたために拘留された、と述べた。
13日付けの報道では「Covid-19の変異種が毎日二桁の死亡とともにタイで猛威を振るっているときに、19人が雇用を求めてタイに入る危険を冒す理由は理解できません。」と述べているが、本サイトの近隣国情報のタイの記事を見れば、「よく言うよ!」という感想をもつのではないか。こんな事件、日常的でしょうに。そして遠くまで働きに行くのは経済的事情がその者たちにコロナ禍に過ぎる理由があるのだろう。カンボジア人じゃ使い物にならないからと、中国人の出稼ぎ労働者を本国から密入国させている中国企業や華僑資本の工場よりはずっと悪質度が少ない。
19人は5月12日の午前4時に拘留され、国境警備隊によって止められました。国境警備隊はパトロール中に、プノンプルックのピッチチェンダコミューンの小さな山間の村から約300メートルのルムドゥオルで狭い小川を渡ろうとしている19人を発見されたという。
報道にあった19人の出身地が興味深かった。毎日のようにタイへの不法越境やベトナムからの中国人、ベトナム人の密入国が報道されている。
逮捕者19人の出身地別内訳
・6人は、コンポンチナン州ロレアビア地区のプラスニットコミューンのチンリーブ村から来ました。
・3人は、プレイベン州スベイアントール地区メボンコミューンのタコフ村出身です。
・3人は、トボンクムン州ポニャクラエク地区のクレクコミューンのプラスニット村出身です。
・5人は、プレイベン州プレイベン地区タコールコミューンのコルトロ村出身です。
・2人は、プレイベン州のPearang地区にあるPrekPhnovコミューンのPreyPhnov村に住んでいます。
19人の出身地はいずれもタイ国境から遠く離れた州に村、主にカンボジア東部からである。要はこうしたタイへの不法越境の出稼ぎ労働者たちには遠く離れた出陳地も別熱の村から一段となって国境を抜け出すのだから密入・密出国ブローカーが広範に組織されていると見るのが妥当である。現に地区や区の警察レベルが便宜を図って検挙されている。それにこうした出稼ぎ労働者の稼ぎ出すお金は国のGDPにはけして反映されていない。2014年のGDP統計で国民の半数が1日2ドル以下というのは数字だけで、それで生きられるわけじゃない。でも実は、どっこい庶民は生きている。
最上段の写真を見て、カンボジアの歴史を知る者なら思い出す人も多いだろう。1979年1月、ポルポト政権崩壊後、我先に川を渡ってタイに逃れた人が多かった。その時の写真に重なる。
*掲載写真:Khmer Timesより