米国のメトロポリタン美術館(Met)は、彫刻14点をカンボジアへ、2点をタイへ送還を開始した。
「メトロポリタン美術館は、これらの芸術作品に関する疑問を解決するために、何年にもわたってカンボジアおよび米国検察局と熱心に取り組んできました。このプロセスから得られた新しい情報により、この彫刻群の返還を開始すべきであることが明らかになりました。」とマックス・ホライン氏は博物館の館長兼最高経営責任者は述べた。
「メトロポリタン美術館はカンボジアとタイとのオープンな対話を非常に重視しており、クメール美術に対する世界の理解と評価を促進するために両国の関係者とのパートナーシップと協力を追求することに尽力する」と声明で述べている。
メトロポリタン美術館はクメール彫刻をカンボジアとタイに自主返還する計画だが、現在ロンドンの大英博物館に所蔵されているパルテノン神殿の彫刻の返還を求めるアテネの呼びかけも同様に広く注目を集めている。ギリシャは、英国外交官トーマス・ブルースが19世紀初頭にアテネのパルテノン神殿から剥ぎ取った大理石の返還を繰り返し要求していた。
このような返還要求はやがて、多くの地域からおこるであろうが、単純にどこにあったかが問題とするよう、持ち去る時点の歴史状況、とくに元あった場所が貴重な美術品の保護・管理ができる主権に存するものがあったかが、重要となる。明らかな国外の富裕者向けの盗掘とは問題が異なる。
掲載写真:Khmer Times