ミャンマーで人身売買・詐欺拠点から救出は進むか、「日本人も20人以上」との情報

中国人俳優の王星(おうせい)氏の失踪事件が俄然焦点に

中国人俳優の王星(おうせい)氏(31)が今月初めにタイとミャンマーの国境地帯で失踪し、4日後に救出された。関係者が失踪直後から交流サイト(SNS)にリアルタイムで情報を投稿し、俳優仲間らが拡散したため広く関心を集めた。中国人観光客が多く訪れる今月末の春節(旧正月)を控え、タイ当局も捜査に本腰を入れ、スピード解決となったものの、国境地帯では、偽の求人で誘い出された外国人応募者らが強制的にオンライン詐欺に加担させられる人身売買事件が相次いでいる、と日本国内でも大きく報道されている

*救出された中国人俳優の王星(おうせい)氏(31)  東京新聞 1月29日掲載

ミャンマー犯罪拠点-虐待横行、死者も 脱出者から「日本人の情報」

軍事クーデター後の混乱が続くミャンマー東部で活動を活発化させている中国人犯罪組織の拠点では、オンライン詐欺の実行役として誘拐された人らに対する虐待が横行し、死者も出ている。既に中国公安部門もミャンマ入りして強制労働の中国人救出に動き、数百人単位で中国に送還している。

拠点から脱出したバングラデシュ人男性が時事通信の取材に応じ、「日本人が来るという情報も聞いた」と証言した。

軍事クーデターから約4年が経過し内戦状態が続くミャンマーでは、混乱に乗じて複数の中国人犯罪組織が東部のタイ国境付近で活動を活発化させ、誘拐した外国人らに国際的なオンライン詐欺の実行を強要している。「20人以上の日本人がいる」という情報もあり、日本政府が確認を進めている。

シンクタンク「米平和研究所」によると、東部カイン(カレン)州のタイ国境付近では、紛争で中立的な立場の少数民族勢力「カレン民族軍(KNA、旧国境警備隊)」が、混乱に乗じて影響力を増大を目指し中国犯罪組織と連携しているようだという。それに伴い、KNAや連携勢力が支配する地域では犯罪組織の拠点が拡大し、少数民族側も利益を得ているもようだ。

拠点では、世界各国を対象としたオンライン詐欺などが行われている。実行役はミャンマー人に加え中国人を含む外国人で、自発的に来た人もいれば、偽の求人広告にだまされてタイに到着後、連行され加担を強要された人もいる。

組織は主に中国人が管理し、銃で武装したKNAのメンバーらが警備員として拠点を守っている。実行役の中には指示に逆らったりノルマを達成できなかったりして暴行を受ける人がおり、身代金を支払って解放されたケースもある。

既に日本政府は「事実関係を確認中」としている。在タイ日本大使館は「タイを含め東南アジアでの仕事を紹介されて渡航する場合、信用できるかなどをよく確認してほしい」と注意喚起している。

なお、時事通信はラオスについて29日付で「中国マフィアからの救出」記事を報じている。

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下記をご参照ください。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025012800813&g=int

掲載写真:タイ北西部から見たミャンマー 時事通信の記事より

 

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