プノンペン 新廃棄物規則 2月から違反者に罰金を科す。さてどうなるか?

プノンペン都庁は、罰金やその他の法的措置を含む厳格な措置がまもなく課されるため、新廃棄物規則(「ゴミを分別する」「ごみ捨て時間帯を守る」など)を守るよう都民に呼びかけている。「罰金こそがルール徹底」というカンボジアだが、一方でバレなきゃ守らないというのが日常の交通ルール、同じことの繰り返しにならないか、それ以前に住民に新ルールの広報は行き渡っていたか、などの懸念がある。

「新しい廃棄物規則」の広報は住民に徹底されたのか?

報道によれば、昨年11月から分別収集が始まっているが、いったいどこが変わったのだろうか、何も変わっていないじゃないかといった不思議な光景が続いていた。

11月からのゴミ分別収集もその1か月ほど前に報道があったが、通知文書を各地区長や区長が住民に徹底していたとは言い難かった。

今日の地元メディアの報道には、地区長や区長が持っている「新しい廃棄物規則」が住民に配布されているのか、極めて怪しい。世帯主に配布といってもプノンペン戸籍(所謂カンボジア人所有のファミリーブック)ではなく、実家のある地方戸籍のほうが住民数では数倍以上である。日本なら、ゴミ置き場があり、分別方法や収集日の表示がある。また各家庭の台所には、必ずゴミ収集の分別や種類別収集日の張り紙があるが、寡聞にして大家さんが店子に、賃貸アパート主が各賃貸住民にそうした用紙を配布したなんていうのを寡聞にして聞いたことがない。

2月から法的処分でゴミ分別、出し時間違反は罰金を科す

これは11月から始まっても、住民の多くが従来通りか、時間すら守らない実態が続いていたからであろう。

罰金を科せば否応なく守るだろう、というのはいかにもカンボジアである。11月からの3か月間というのは周知時間でー事実は形だけのー、守れられないから罰金を科すというのはいかにもカンボジア版お役所仕事である。

罰金を高額にしても交通事故の危険が当初しか減らないよう、ゴミ分別も同様になる怖れがある。警官立哨がなければ信号すらまらない奴が続出するカンボジアであり、プノンペンである。「規則違反の分別無しゴミ、時間外ゴミ出しをゴミ収集車は集めない」となれば、街の都心部と主要道路沿い以外はではかえってゴミ放置でうんざりする光景や悪臭が漂うのか、ということさえあり得る

新しい廃棄物規則」によると、

湿った廃棄物(燃えないゴミ)には、残り物、有機性廃棄物、果物、花が含まれ、それらは黒いビニール袋に入れる必要がある。

乾燥廃棄物(燃えるゴミ)には、紙、紙ケース、プラスチック、スチール、ゴム製品、ボトル、缶が含まれます。これらはすべて白いビニール袋に入れる必要がある。

当局の指示によって、ごみ収集会社は正しく分別されたごみのみを収集します。このように分別されていないごみは収集されない

規則の実施は11月に始まり、9月の会議はすべての自治区職員が指示に従い、住民に情報を広めることをであったが、市役所が厳格な措置を実施し始める前の、この11月~1月は意識向上キャンペーンであったという。

広報の不徹底、当局と住民の意識のズレが大きいから罰金を導入では?

ピノンペン都副知事:フオット・ヘイ Huot Hay 氏

「新しい変更についてすべての世帯にまだ通知していないため、規則の実施は厳密には実施されていません。コミューンごとに600部の説明書を作成しました」。「また、家庭に配布するために50万枚のパンフレットを印刷しました。これにより、すべての家庭が廃棄物をいつ処分すべきか、そしてトラックが何時に収集するかを確実に理解できます。罰金を科す前に、これらすべてのことを説明します」と述べている(ならば「4ヶ月前に一般公開されて以来、住民は規制を理解しているようだ」という住民ならば、違反ゴミは集めないことはあっても罰金を科す必然性はない)。その上で規則を学び、それでもそれらに違反した場合、私たちは法律に従って罰金を科します」と同副知事は言明した。さらに「首都の各自治体の衛生管理者は2月に始まる罰金執行に向けての職務に集中する必要がある」と述べている。

2月から、プノンペン当局は施行されている法律と規制の施行を開始します。当局は、乾燥廃棄物から湿った廃棄物を分別せずに固形廃棄物を処分する人々、および時間枠外にゴミを処分する人々を法廷に付託するだろう」と述べている。

さらに首都中心部にあるこれらの5つの地区では廃棄物処理は午後6時から9時まで許可されており、会社は午後9時から朝まで廃棄物を収集します。これらの時間外にゴミを処分した人は誰でも罰金が科せられます」と付け加えた。

 

これで一時的にゴミが分別されても持続可能かという点に大いに疑問がある。

隣家とのわずかな隙間や空き地があれば既にそこはゴミだらけ、男女老若に関係なく、走行中に車、バイク、トゥクトゥクなどからポイ捨てを見慣れているのであるから。当然の疑問が湧く。

いずれにせよ、そんな通知文書を未だ見たこともないというプノンペン住民がたくさんいるんじゃないか。

掲載写真:Phnom Penh Post

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