フンセン外交、突出から原則に戻るーASEAN内部からの反発に一歩後退ー

今月開かれる予定であったASEAN外相会議が突如延期になったようにフンセン首相のミャンマー外交はASEAN内部から反発を受け、カンボジア国内ではASEANの人権担当大臣をカンボジア議会が非難決議を上げるなどの過敏のパフォーマンスがあったが、フンセン外交はミャンマー国民の反発ーデモは辛辣で軍部に親中の独裁者がくるなんてーとASEAN議長国の立場を利用したスタンドプレーとカンボジア以外では見られ、外交はASEAN内で孤立化している感がある。

Phnom Penh Postによれば、

「フン・セン首相は、主に仏教国で長引く危機を解決するための道として、昨年4月に行われたASEAN 5点合意(5PC)を尊重し、実施するようミャンマーの指導者ミン・アウン・ラインに要請した。

フン・センは、1月26日のビデオ会議を通じて、与党国家行政評議会(SAC)のミン・アウン・ライン将軍との会談中に電話をかけた。」

つまりASEANの逸脱批判に応えてASEANの原則に戻っての要請である。

この動きを日本では27日、NHKニュースで「カンボジア首相 ミャンマー軍トップと会談 暴力停止など求める」という見出しで次にように伝えている。カンボジア国内報道より日本を含む諸外国がどう見ているか重要である。

「フン・セン首相は今月7日から8日にもミャンマーを訪問して司令官と会談していますが、26日の会談を受けたカンボジア政府の発表によりますと、フン・セン首相はミャンマー国内で今も暴力が続いていることに深い懸念を伝えたということです。

そのうえでフン・セン首相は司令官に対し、ASEANが去年4月に合意した
▽暴力の即時停止や
▽対話を仲介する特使の派遣受け入れなど
5つの項目を履行するよう改めて求めたということです。

ASEANは軍が民主派への弾圧を続けていることなどから首脳会議への司令官の出席を認めていませんが、フン・セン首相は首脳会議へのミャンマーの復帰を目指す考えを示していた。

ただインドネシアやシンガポールが5つの項目で進展がないかぎり首脳会議への司令官の出席は認めるべきではないと反発したことなどから、フン・セン首相としてもASEANの合意を受け入れるよう軍側に歩み寄りを迫った形です。」

以上だが、マレーシアは厳しく批判し、フィリピンも批判的、ベトナムは静観しているようだが中国のカンボジアへの影響力を注視し、タイ政府はミャンマー軍部に親近感を抱いているが、国民の猛反発を恐れて静観中である。となると、近年中国の影響力の強いラオスぐらい?

ミャンマーはどうなっているのか、軍は強権抑圧と残虐性で国民に対峙

ミャンマー・日本ニュース 24-27日の記事。2月1日の軍クデター1周年でのサイレントデモへの呼びかけ、軍の残虐性の発揮はクーデターがミャンマー軍部の「終わりの始まり」を示している。

掲載写真:オンライン会談 画像:Phnom Penh Post

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