カンボジアのパラチフス症例の増加は、「抗生物質耐性菌」と関連している

科学研究者たちは、カンボジアで抗生物質に耐性を持つパラチフスを引き起こす「或る種の細菌」が憂慮すべきほど増加していることを発見した、という

科学研究誌『Microbial Genomics』に掲載された論文によると、ピーター・ドハティ感染免疫研究所(ドハティ研究所)が共同出資した研究で、パスツール・デュ・ケンボッジ研究所の科学者らは、命を脅かす「パラチフス」を引き起こす原因となるサルモネラ・エンテリカ血清型と呼ばれる細菌を発見した。同菌による発症:パラチフス A は、細菌感染症の治療に一般的に使用される抗生物質の一種であるフルオロキノロンに対する耐性が高まっているという。

同科学者のチームは、カンボジアの首都プノンペンで採取した細菌サンプルを研究し、細菌の遺伝子構造を調べたところ、細菌と戦うために抗生物質が使用された場合でも生存し、増殖するために細菌が突然変異していることを発見した。

同科学者のチームの筆頭著者であり、パスツール・デュ・ケンボッジ研究所の細菌系統ゲノミクスグループのグループリーダーであるコーエン・ヴァンデランノート博士は、

「抗生物質耐性は大きな問題です。なぜなら、パラチフスに罹患した人々の治療選択肢が制限されるからです」

「抗生物質は細菌を殺し、感染症と戦うのに役立つ強力な薬です。しかし、過剰に使用されたり、不適切に使用されたりすると、細菌が耐性を獲得し、より強くなる可能性があります。」

と述べている。

研究論文の共著者であるメルボルン大学のティム・スティニア教授は、「この研究では耐性菌株の蔓延をより深く理解し、それに対抗するためにカンボジアのような低・中所得国における抗菌薬耐性のゲノム監視を強化する必要がある」と付け加えている。

パラチフスの原因菌であるサルモネラ・パラチフス菌は、汚染された水や食品の中に存在します。パラチフスは腸チフスほど重症ではありませんが、重度の発熱、頭痛、食欲不振、腹痛を引き起こすことがあるという。

なお同研究は、メルボルン大学(ドハティ研究所)、パスツール研究所(パリ)、およびパスツール・デュ・ケンボッジ研究所が支援する共同研究基金によって資金提供されました。

日本でもサルモネラ・パラチフス菌は、重症化する食中毒で知られている。当地では、食中毒は特に現地食材の不適切な管理や使用によって日常的に起きている。また、野菜、魚介類による寄生虫の問題も日常的な病気です。カンボジアでは、寄生虫の薬は3か月間隔で飲むよう、学校等で触れています。

掲載写真:Khmer Times

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