ココン州自然保護区のパトロール隊は、保護地域で密猟の疑いのある男性 2 人を逮捕した。
環境当局は、カンボジア王立軍の登録プレートを持ったフォードのピックアップトラックに乗っていた(逮捕者は、軍の公用車で密猟していた!)2人の男が13日、野生動物を狩っている最中にコ・コン州Thmar Baing区Chiphat自治区で逮捕されたと述べた。
ココン州環境局のフン・マラディ局長は7日、パトロール中の警官が、南カルダモン山脈でサンバージカとジャコウネコを撃っていた2人の男性を現行犯で捕まえたと発表した。 当局者はまた、軍の公用ナンバーのフォード車、ライフル3丁、ピストル2丁、弾丸約60発を押収したと述べた。
警察の報告によると、この 2 人の男は、プノンペン都トゥール コーク地区居住のホン ラスモニー (29 歳) とプノンペン都セン ソック地区居住のスレイ ヴィースナ Srey Veasna(35歳) であると特定している。
マラディ氏によると、2 人は州の環境局に送られ、その後州裁判所に送られ、起訴されたという。2 人は天然資源を破壊するために銃器を使用したため、起訴されなければならず、有罪となれば 10 年の懲役と 100 万から 1000 万リエルの罰金が科せられる可能性がある、と彼は述べた。
わざわざ、プノンペンからコ・コン州の自然保護区に密猟しに行くのだから、この2人は実行犯で、明らかに漢方の材料からも中国系組織の依頼によるもので、それも堂々と軍の公用車で乗り込んでいる。カンボジアでは、軍の腐敗は良く知られており、その一端が明るみ出たのが今回の密猟者逮捕であり、アルマジロやジャコウネコなどの密猟は中国系密売組織があってこそお金になるのである。
カンボジアでは、毎年のように欧米各国の好意によって文化財が変換されているが、元を正せば、文化財盗掘という略奪によるものである。欧米コレクター目当ての注文主は欧米系ブロカー、仲介はタイ系ブローカーかタイ軍、そして実行・運搬はカンボジア人(クメール人)、またカンボジア軍である。なかでも有名なのが、1990年代のバンテアイチマール寺院壁面の千手観音浮彫である。これに手を染めたのはカンボジア軍、タイの密売・運搬ブローカーの車が検問で押収された。タイの好意で後に返還され、プノンペン国立博物館で見ることができる。
規範意識の極端な低さが、汚職と犯罪、事故の根っこにある
文化財返還のニュースがあっても、こうしたことはカンボジア国内ではほどんど触れていない。文化財が希少野生動物に変わっただけでお金で転ぶ犯罪者がカンボジアでは事欠ないのが、現実である。それ故、カンボジア人の実行犯逮捕だけでは、この種の事件は終わらない。今は保護がなされ、観光資源ともてはやされたクラチェの河イルカであるが、1990年代にクメール人や地元の軍人が大量に密猟した結果の個体数急減である。希少野生動物の最大の敵は、環境変化以上に人間である。内戦終結から30年、問題の根本はカンボジア(クメール)人の法規範の遵守という規範意識の極端な低さにある。全ての社会問題の根っこはそこにある。
掲載写真:禁止狩猟の密猟者の車を止める 画像:Khmer Times