コロナ禍でコ・コン第2国際空港の実施計画は保留に
民間航空国家事務局より完成構想図

今は民間投資で進められる事態ではない

地元メディアによると「カンボジアのココン州に新しい国際空港を建設するための4000万ドルの投資は、コロナ禍が緩和されるまで保留にされている」と民間航空局(SSCA)のスポークスマンSin Chansereyvuthaは述べた、という。確かにこの時期、空港建設への大型投資はふさわしくない。この第2空港は、Ly Yong PhatのLYPグループとバンコクエアウェイズの合弁事業でえう。コ・コン州の州都コ・コンには町の手前東にプロペラ機が使用可能な空港があるが、定期便運航は長くと止まったままである。そこにタイに隣接する州と観光や経済効果を狙ってコ・コン第2空港の計画が立てられた。

同Chansereyvutha氏は、カンボジアの地元メディアに、プロジェクトはまだ準備段階にあると語った。「政府はすでに空港の用地を引き渡していますが、民間部門にはやるべきことがたくさんあります。一方、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行は民間部門の投資とビジネスに影響を与えるため、世界的な危機が緩和されるまで空港の建設を延期することを決定しました」と述べた。

昨年1月に発表された閣僚評議会からの通知によると、政府は空港をKhemarak Phoumin市の400haの敷地から、Mondul Seima地区のBakKhlangコミューンの600haの敷地に移転して「追加投資を許可する」ことを決定したが、中国発の新型コロナで空港建設は延期となった。

いわくつきのダラ・サコール空港建設は続行

一方、コ・コン州には別のいわくつきの空港が開発中である。これは中国政府肝いりの中国国営企業グループのボタムサコール半島島南端にある3億5000万ドル投資のダラ・サコー国際空港は、休むことなく建設が続いている。米国はダラサコールリゾート開発は中国の東南アジア進出の軍事拠点になるとみており、たびたびカンボジア政府に警告を与えている所である。ここに軍事拠点が置かれれば、タイ湾の制空権は中国が抑えることは自明の理、それでこそ中国はやみくもの民間利益を度外視して推し進めている。既成化こそ南シナ海でみる中国の常套手段、これが中国の言う「一帯一路」の現実の姿である。現地に行ってみればすぐ解ることである。ダラ・サコール空港がカンボジアの地にあって管轄・運営権がカンボジアのものであるなら、3つ目となるコ・コン第2国際空港をそもそも造るメリットはないはずである。

掲載画像:民間航空国家事務局の完成構想図より

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