9月21日、トン・ソク・ケンはカンボル地区スノール区のヴィラ・ボレイK01からプノンペンへ逃走しようとしたところ、路上で検察官の命令により国軍に逮捕された。 彼女は現在、捜査判事によって公判前に拘留されている。
なお、コンポンスプー州在住のウン・ソパール氏や国防省訓練局勤務のペン・セレモニー少将など他のグループメンバーは現在、逃走中だという。
国内メディアが報じるところによると、2023年6月に入手した告訴文書によると、2012年12月25日、コンポンスプー州トンポン地区トップミーン自治区アンヒヤセス村とトラペアンクロン村で、日本の投資家が総額95万1,200米ドル相当の328ヘクタールの土地を購入した。軍高官ペン・セレモニーの率いるトン・ソク・ケン氏から村、コミューン、地区当局、弁護士、証人らの承認を得て、3件の土地譲渡書を結び、実際の契約段階に従って全額をトン・ソク・ケンらに引き渡した。
被害者である日本人原告の説明によれば、トン・ソク・ケン氏と逃亡者、その他の関係者らは、あらゆる形態の投資プロジェクトを妨害したという。
原告の日本人は、上記グループによる土地売却詐欺のせいで多くの時間、資金、そして投資家としての信用を傷つけられ、カンボジアで多くの大規模な事業や投資活動に支障がでていると述べた。
この事件、6月10日付けで本サイトが報じた件です。下の記事をご参照くださいい。
同国内メディアによれば、
1 Thong Sok Kheng (トン・ソク・ケン)から購入した 328 ヘクタールの土地には、農業産業と農業観光の育成のための開発計画がある。
2 トンポン地区に総面積117ヘクタールの養鶏場が2012年から開設されている。
3 2014 年、カンポット州で飼料の供給と生産を目的としたトウモロコシの栽培を始める。
4 2015年に動物飼料生産用のスーパー硫酸種子を供給するためにマレーシアに本社を置く日本企業を誘致する。
5 2014年よりプノンペンのトゥールコーク地区に子供たちのための無料幼稚園を設立する。
6 数百万ドル規模のプロジェクトで、教育、スポーツ、貿易関係などの分野でカンボジアと日本の人々を緊密にするため、カンボジア、日本両国間で文化を交流するための様々なプログラムを設立する。
原告である日本人投資家は、初めてカンボジアを訪問した際、カンボジアの将来の発展の可能性と、2012年以来元首相フンセン氏のリーダーシップの下で急速に成長するなど、多くのビジネスや投資家を支援する政策にも注目していた、と述べている。
ところが、2014年7月17日から2019年7月17日までの5年間の工業用サトウキビ農園としてその土地を購入し、その土地をトン・ソク・ケンにリース(貸す)した後、今回の逮捕者:トン・ソク・ケンとその仲間は土地を原告に返還することを拒否し続けた。そこで彼は土地の保護を申請しましたが、二度とも効果がなく、その結果、原告は司法警察に告訴することを決定した。
コンポンスプー 別の軍高官による嫌がらせと土地奪取も告発
また同日本人投資家(クメール国籍を取得)は、トン・ソク・ケンとその仲間から328ヘクタールの土地を騙し取られただけではなく、さらにコンポンスプー州トンポン地区のトップ・ミーン自治区のオスノール村とヤ・アン・コミューンのシャ村にある彼の所有地の117ヘクタールの畜産場が、国軍総軍参謀次長ロン・ナリン氏らと軍将校を名乗る者たちによって暴力的に占有された、と述べている。
2020年に、土地所有者(日本人投資家)は地籍局に自らの財産を守るために土地境の支柱を建てる申請を行い、所有地の境を明確にすると、今度は地籍職員を脅したり、暴言を吐くなどの嫌がらせや建てた支柱が燃やされたり、所有者の立ち入りを妨害するなどの嫌がらせが続いたという。
土地所有者(日本人投資家)がなおも所有権を主張し続けるや、ロン・ナリン氏とそのグループは逆に、その土地所有者が私的財産を破壊したとして2020年11月26日付でコンポンスプー州裁判所に日本人土地所有者に対する訴訟を起こしたという。彼等は、法定地主(土地所有者)に対して8人の名(いずれもクメール人で居住地が1都4州に及ぶ)で訴状を提出した。
こうした一連の事件によって、日本人投資家は農業、工業、サービス、教育において多くの時間、資本、投資の機会を失い、他の日本人投資家をカンボジアへの投資に誘致する機会も失った、とメディアに述べている。
そこで、この不当な告訴に対し、上記の6月10日付けの記事のように正式にトン・ソク・チェン氏、ペン・セレモニー氏などを、さらにロン・ナリン氏という軍の高官を含む人物を特定した上で、告発に踏切ったという。先ずはトン・ソク・ケンが逮捕されるに到った。
掲載写真:フレッシュニュース