クメール正月が終わると、タイに向かうカンボジア人出稼ぎ労働者が急増するが、正規の国境ゲートを通じて入国する人たち以外に不法に越境する者が跡を絶たない。これ等の多くは越境ブロカーのお金を支払い、集団で越境する。クメール正月前にも不法越境で帰国した者や新たに出稼ぎ労働に参入した人たちがタイへ向かう。実に国境は抜け道だらけである。また、お金を払っての不法越境は捕まる危険があるのに跡を絶たない。それは、正規の手続きの手間とお金を払うより越境ブローカーに頼った方が楽であるからだろう。識字も十分に身に付かない者たちにとって正規の手続きは何かと苦労が多く、お金もかかるのだというのが実情である。もちろん、タイでの不法越境出稼ぎ労働者の労働環境は無権利状態に甘んじることになる。
タイ・サケオ県で不法入国のカンボジア人62人を逮捕
タイ・サケオ県の当局は、カンボジアとタイの国境を不法に越えた62人のカンボジア人を逮捕しましたという。カンボジアとタイの国境からの報告によると、カンボジア人のグループは4月26日、タイ・サケオ県タプレアヤ地区のタプレアヤ自治区ノエンサンボ村の裏の森に隠れているところを逮捕されたという。この地域を担当する国境パトロールと監視部隊は、森の中に隠れている人々のグループを見つけ、カンボジア人を検査して拘束しました。逮捕されたカンボジア人によるとタイで働くために越境し、まだタイ側のブローカーに支払いをしていないとのことでした。最初のグループの逮捕後、タイ当局は、さらにノンヤケオ村で別のカンボジア人グループを逮捕しました。彼らは拘留され尋問されているという。2つのグループの検挙数は62人という。
バンテアイメアンチェイ州で200人近くの不法出稼ぎ労働者を逮捕
一方カンボジア側では、バンテアイメアンチェイ州の国境当局は25日、タイで働くために不法に国境を越えようとした195人のカンボジア人を逮捕した。
第807国境警察旅団の司令官であるLong Samnang中佐は、25(月曜日)に、同州Thmor Puok地区KoukRomiet自治区Samaki村の国境検問所で、同旅団の軍が7不法越境でタイに向かうカンボジア人74人を発見し、逮捕したと語った。
また同日、第815国境警察大隊の司令官であるSuong Sao中佐は、タイの領土に向かう途中で120人の違法なカンボジア人労働者(23人の女性)を拘留した。当局は、クメール正月の終わり以降、不法移民労働者の数が増えると予想していたという。
掲載写真:最上段 タイで逮捕された不法越境のカンボジア出稼ぎ労働者 画像:Khmer Times